医者に頼らない生き方2

 さて、医者に頼らない生き方の2です。
 健康に生きることが大切です。ただ長生きすればいいというものではありません。まず、健康寿命とは何かという話から。FM八ヶ岳の放送原稿です。もちろん、このまま放送しているわけではありません。

ハンバーガーを食べたのか何歳ですか
 前回の放送のあとで、関さん(話のパートナー)と「いつごろはじめてハンバーガーを食べたか」という話になりました。
 わたしたちの世代でいうと、ちょうど20歳前後ですね。関さんは、全世界的にも有名なハンバーガースタンドができた、デパートの1階に並んだですってね。マクドナルドだって。わたしも、おそらくその数日後に食べました。もちろん、生まれて初めて。
 コーラは、これはもっと昔。叔父が横須賀にあった進駐軍の酒保というのですか、売店で買ってきて飲ませてもらいました。これもいままでであったことのない味でした。
 ちなみに、昭和32年に、日本コカ・コーラとして発売されたようです。コーラは、大正時代にはあったそうですが。
 コーラの話でなく、ハンバーガーでした。なぜ、ハンバーガーにこだわるかというと、わたしたちの子ども時代は、肉をそんなに食べた記憶がない。すき焼きなんかは、年に1回か2回ではなかったでしょうか。
 それだけ、動物性の油、つまり脂肪に接する機会が少なかった。ハンバーガーというのは、肉のかたまり。当然、動物性の脂肪もからだにはいっていきます。わたしたちの世代では、いまでもそんなにハンバーガーも食べませんね。
 どちらにしても、子ども時代も青春時代も、まだまだ貧しかった。
 いまの子どもたち、わたしたちの子どもといってもいいですが、生まれたときからハンバーガーがあって、しょっちゅうお肉を食べるようになった。
 食生活は、ここ40年ぐらいの間に、大きく変わってきました。

2あなたは何歳まで生きられるか
 食生活が変わってくるとともに、わたしたちがかかる病気も変わってきました。
 1947年の死亡原因でいちばんは結核、2位は胃腸炎。3位は、肺炎。4位は脳血管疾患、5位は老衰です。
これを現在と比較すると、1はがん、2位は心疾患、3位は脳卒中、4位は肺炎、5位は不慮の事故。
わたしたちが生まれたころは、結核で亡くなる人が多かった。
 東京オリンピックが開催された1964年。1位は脳血管疾患、2はがん、3位は心疾患、4位は老衰、5位は不慮の事故。いまとほぼ同じようになっていきます。
 現在の1位はがんですが、その数(死亡者数)がぐんと増えています。オリンピックのときと比較すると2倍以上ですね。そして、意外ですが4位の肺炎ががんばっています。肺炎で亡くなる人がふえてきています。
ちなみに、がん、心疾患、脳卒中で亡くなる人は、6割です。
 この三つの病気をなんとか防ぎたい。
 ところで、統計を出したついでに、わたしたちがどのくらい生きられるか、少し調べてみましょう。
 あくまでも統計の数値ですが、60歳の男性であと22年、女性ですと27年も生きられます。
 ただし、長生きしても、寝たきりの状態で長生きしたくない。

健康寿命とは何か
 わたしたちの平均寿命(0歳の子どもが何歳まで生きられるかという統計数字)は、2004年現在男性で78.64歳、女性で85.59歳です。30年前とくらべると、男性で6.91年、女性で8.70年延びています。
これは世界一なのですが、この間も健康でありたい。WHOが2000年に『健康寿命』という考え方を発表しました。いろいろな計算法があるようですが、無障害平均余命を使ってみましょう。
 無障害とは、「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という問いに、「ありません」と答えた人を「無障害者」というのだそうです。
 無障害者でいられる期間を、平均余命の考え方に乗っ取って計算すると、65歳の男性でいうと12.64年、女性では15.63年、健康でいられる計算になります。77歳と80歳になります。
 これを先ほどの平均余命とあわせると、わたしたち男性は健康ではなくて、どこかに問題がある期間が約1年、女性では5年。女性のほうが長生きしますが、必ずしも健康で長生きするわけではない。
 健康でずっと長生きするのは、けっこうむずかしいですね。
 この健康寿命を延ばすことがたいへん重要です。

4どんな病気が怖いのか
 ご存じのように、わたしたちが亡くなる原因でいちばんはがんです。
 がんを防ぐ方法は、これさえしていれば大丈夫といわれるものはありません。こんなところに注意しましょう、といえますが、これで大丈夫といえません。がんは老化と関係がありますし、細胞分裂にも関係しているというのが、最近の研究でわかってきています。
 わたしたちの『存在』そのものに関係しているといってもいいでしょう。
 なかなかむずかしい病気ですね。
 できるだけがんを防ぐ方法については、回を別にして紹介したいと思います。
 2位、3位は、心臓病と脳卒中です。最近は心臓病のほうがふえてきている印象があります。
 心臓病、脳卒中とともに、血管の病気です。動脈硬化が原因です。
 血圧を低く保つ。血管を強く、しなやかにしておく。血管の中を流れている血液をさらさらにしておく。これが大切です。
 血管を丈夫にして、なおかつ血液の状態をよくしておけば、心臓病、脳卒中は防げます。
 そして、血管を丈夫にしておくことは、健康寿命と大いに関係があります。
 わたしたちの年齢になると、がんも心臓病も怖いですが、いちばん嫌な病気は脳梗塞です。
 心臓病にかかった場合、亡くなるまでの時間は短い。心筋梗塞になってももちろん助かることもありますが、その後の状態は、心臓に注意すればいいし、からだが不自由になることはありません。がんも同じです。もちろん、がんによっては、からだが不自由になることはありますが。
 しかし、脳梗塞の場合は、半身がマヒしたり、また、話せなくなってコミュニケーションをとることがむずかしくなったり、本当に不自由になってしまう。
 これはぜひとも防ぎたい。
 脳卒中のなかでも、最近は脳梗塞がふえてきています。
 血管の老化、動脈硬化を防ぐことが肝心です。
 そのために必要なことは、まず食べものを注意することとからだを動かず運動です。生活の仕方にも関係しますが、入ってくるもの(食事)と出すもの、からだを動かして出すこと(運動)。これが重要です。生活の仕方でいうと、ストレスですね。これも大いに関係があります。
 からだを動かす、食べものに注意する、ストレス解消を心がける、まずこの三つが、健康寿命を延ばす方法です。