医者に頼らない生き方5 食べもの編2

 1週間のご無沙汰です。医者に頼らない生き方の5をお届けします。
 今回は、鮭を特集してみました。放送を聞いて、近くのスーパーの鮮魚売り場で鮭がなくなることを期待しています。
 流したのは、ザ・シンガーズ・アンリミテッドで、「トライトゥー・リメンバー」「やさしく歌って」「4月のパリ」の3曲です。
 それでは、お楽しみください。


 医者に頼らない生き方5
1好きな食べものはなんですか
 前回の朝食編に続いて、今回も医者に頼らない生き方の食べもの編です。
 ところで、誰もが願うことですが、健康でいられますように、これがいちばんです。さらに、もし、病気になったとしても軽くてすみますように、病気が悪化しませんように…なんだか、病気平癒を祈願しているようですが、これも本当の気持ちですね。
 当然のことですが、健康でいられれば、お医者さんにかからなくてすみます。
 これらの望みをかなえてくれるのが、食べものです。
 つまり、からだにいいもの。
 食べものはからだをつくるものであり、からだを動かすものでもあります。どちらにしても、からだの中に入ってくるものです。
 だから、しっかり選びたい。
(聞き手の関さん、食べもので好きなものはなんですか?答えて。ちょっとやりとりがあって。関さんのお好きなものはお米でした)
 好きなものばかり食べているわけにはいきません。
 動物性のものや植物性のものをバランスよく食べるのが大切です。以前お話ししたかもしれませんが、著明な栄養学者にインタビューしたことがあります。
 どんなものが好きですか、食べる順番はありますか、と。
 先生は答えて、「箸のおもむくままに」。食べたいものを食べていればいい、そのとき食べたいものが、からだが欲しているものだと、おっしゃいました。確かに、そういうことはあります。わたしたちも自然とバランスよく食べているものです、といいたいところですが、食卓に並ぶもの自体のバランスが悪ければ、そうはいきません。
 昔ながらの食卓、たとえば、煮物など野菜料理が中心で、魚料理が1品ぐらい、これならいいのですが、お肉が中心で、野菜はほんの付けたりということもあるでしょう。
 となると、やはり食卓に並ぶ食材を選ぶ必要があります。


2お勧めしたい食材は
 お勧めの食材はいろいろあります。
 今回お勧めしたいのは、魚の鮭です。
 鮭は、産卵のために日本の沿岸に寄ってきます。そのときにたくさんとれるので、なんとなく冬の魚のイメージがありますが、日本で捕れる鮭はベーリング海とかアリューシャン列島のあたりを回遊しています。5、6年の寿命のようです。
 10年ほど前ですが、雑誌で食材を紹介するページをつくっていたのですが、写真のキャプションで養殖ではない鮭、と書いたら、北海道出身だという販売の人から、鮭は養殖していないといわれました。当時は養殖の鮭は少なかったですね。いまは国内でも南米のチリやノルウェーなどでも、養殖されるようになりました。
 ところで、鮭の栄養成分は、あの赤い身にあります。鮭の身がなぜ赤いかご存じですか。
 鮭は、主に食べているのはオキアミです。エビのような形をしているプランクトンで、鯨もよく食べます。
 オキアミを食べることで、鮭の身は赤くなるといわれています。その鮭の赤い身に含まれているのが、アスタキサンチン。卵のイクラも赤い。
 オキアミ自身は、浮遊しているときは赤くはありません。エビや蟹にもアスタキサンチンは含まれているのですが、たんぱく質と結合しているので、赤くないのです。しかし、加熱処理をすると真っ赤になります。これはアスタキサンチンたんぱく質を分離するためです。オキアミを同じです。なぜか、鮭のなかでは真っ赤になっています。
 アスタキサンチンは赤色素のひとつです。
 アスタキサンチンは、酸化を防ぐ抗酸化作用が非常に強いのです。トマトに含まれているリコピンという抗酸化物質があります。リコピンより抗酸化作用が強く、ビタミンEの1000倍ともいわれています。これはちょっと出典が明らかにならないので、疑問ですが、天然色素のカロテノイドのなかでは最強といってもいいでしょう。
 抗酸化作用とは、細胞の酸化、つまりサビを防ぐことです。細胞の酸化は、活性酸素で起こります。活性酸素は、わたしたちが吸っている酸素が変化したものです。からだの中に入ってきた有害物質を排除する働きもあるのですが、一方で細胞を傷つけ、老化を進めます。
 動脈硬化も、血液中のコレステロールが酸化することで起こるといわれています。
 からだの中で活性酸素を除去するシステムがあるのですが、それらの働きだけでなく、食べもので活性酸素を除去する必要があります。ビタミンC、E。ベータカロチン(カロテノイドの一種)などが有効といわれていますが、アスタキサンチンもその仲間です。
 アスタキサンチンは、特別な物質しか通ることができない、血液脳関門を通過できるので、頭にも働いて、認知症の予防、目の老化にも効果があるといわれています。
 鮭には、アスタキサンチン以外にも、ビタミンA、B2、D、Eなどのビタミン類も豊富です。それに、からだにいい油の代表のDHA、EPAもたくさん含まれていますから、生活習慣病を防ぐためにも、最適な食材です。


3魚の油はからだにいい
 DHA、EPAというのは魚の油の名称ですが、けっこう有名になりました。DHAは、ドコサヘキサエン酸。マグロの頭などに多く含まれていて、頭がよくなるなどといわれましたが、脳を活性化させるそうです。
 EPA、エイコサペンタエン酸もからだにはよさそうです。ちょっと古いデータですが、1980年代のデンマーク。当時デンマーク心筋梗塞の患者さんが多く、国民の病気の2割を占めていました。ところが、同じデンマークでもグリーンランドに住むカラーリット(先住民)で心筋梗塞を起こす人が非常に少なかった。心筋梗塞の患者はわずか3%です。
 グリーンランドは、北極に近い、世界でいちばん大きな島です。グリーンランドのカラーリットは、魚やアザラシを常食し、EPAが非常にたくさんとっていました。
 EPAは、血管を拡げて血行をよくし、血液もサラサラにしてくれます。動脈硬化、脳血栓心筋梗塞の予防にたいへん効果があります。悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールをふやす作用もあります。
 当たり前の話ですが、魚は海の中に棲息しています。海は陸より温度が低い。魚の油は、温度が低くなっても固まらない。ところが、陸にすんでいる動物の油は、常温で固まりやすい性質があります。人でも同じ。
 ラーメンの汁が冷えてくると白く固まります。これは、動物性油の特徴です。飽和脂肪酸といいます。ドロドロになって、しかも固まりやすい。動物性脂肪をとりすぎてはいけないのは、そのためです。
 DHA、EPAをたくさん含んでいるのが、背の青い魚です。マグロ、サンマ、イワシ、サバなどです。
 今回は、鮭を取り上げました。鮭を大いに食べて、老化を防ぎましょう。