医者に頼らない生き方12笑う

 笑う門には福来る、といいますが、本当に笑うのはいいことで、ストレスも解消できるし、リラックスできます。
 がん細胞をやっつけてもくれます。糖尿病にもよい影響を与えるとか、笑って過ごせるといいのですが。
 笑えないことがあっても、無理をしても笑顔をつくりましょう。
 今回流した音楽は、ラビアンローズ、バラ色の人生です。
 最近こっているニッキ・パロット、トニー・ベネット小野リサでお届けしました。
 それでは。

医者に頼らない生き方12
1よく笑うほうですか
 今回のテーマは「笑う」です。先日、友人と車で長距離ドライブをしたのですが、友人の車に落語のCDがあって、「眠くなったらいってくださいね、落語のCDをかけるから」といわれました。
 なんでもその友人が子どもたちとヨーロッパを車で旅行していたときに、そのときもおそらく息子さんが運転したのだと思いますが、眠くなったというので落語のCDをかけたのだそうです。
 すると、愉快な噺に笑うのはもちろんですが、落語に聞き入っている間に眠気がなくなったというのです。続きの噺が気になって、眠くならならなくなったようです。
 笑いは、眠気も吹き飛ばすというわけです。
 車を運転するときに、よく音楽を聴きますが、落語を聞いたのは初めてでした。車には友人以外にカミさんや友人の奥さんがいっしょに乗っていたのですが、車の中に笑いが起こりました。乗っていた全員がほほ笑んでいるのが運転しているわたしにもわかりました。
 笑いに包まれると、心も穏やかになります。穏やかになりますが、眠くなったわけではない。不思議です。笑いの効能は、本当にいろいろあるようです。
 関さん(聞き手)はよく笑うほうですか?(答えて)
 人のことを笑うというような悪い場合もありますが、笑いは基本的には人を和ませてくれます。
 笑いには、実にいろいろな効能があります。医学的にもきちんと確認されています。
 昔から笑いはいろいろ研究されていたようです。天照大見神が天岩戸に隠れたときに、その前でアメノウズメノミコトが愉快な踊りを踊ってそれを見て神々が笑い、その様子を覗こうと岩戸を少し開けたときに、その隙間に手を入れてこじ開けたという神話がありますから、古代から笑いは大切な役割を持っていました。西洋でもプラトンが笑いについて考察しています。それ以来、本当にたくさんの研究があります。
 医学的には、笑うとがん細胞をやっつけるナチュラルキラー細胞が活性化する、笑いは糖尿病の治療に有効である、リウマチに対しても笑うと痛みが消えて、炎症反応が抑えられるという研究があります。
 当たり前ですが、笑えばストレスは解消されます。笑うと副交感神経が働くからです。副交感神経は、リラックスしたり、安らぎを覚えたり、安心したりするときに働く神経です。交感神経は、怒りや恐怖を感じたときに働く神経です。
 笑うと副交感神経にスイッチが入って、リラックスできるのです。

2よく笑う人はボケない
 認知症が進んでくると、笑わなくなります。笑いには、愉快だから、面白いから、滑稽だからといった笑い(これを「快の笑い」というそうです)と、笑うことで相手とのコミュニケーションをとる「社会的笑い」があります。  
 そこで、認知症を持っている人に、滑稽なおもちゃやかわいい子犬、赤ちゃんの写真を見せて、笑いの反応を調べます。もうひとつはほめたり、プレゼントをしたり、挨拶をしたりといった社会的な場面でも笑いの反応を調べました。
 認知症の軽い人、中度の人、重度の人で、調べると軽度な人は社会的笑いも快いよい笑いも両方とも多い。中度になると、快い笑いは多いのですが社会的笑いはぐんと減ってきます。重度になると、快い笑いも社会的笑いも非常に少なくなります。この研究は、東京都老人総合研究所精神医学部門の矢富直美先生によるものです。笑うことを見ていても、認知症がどのくらい進んでいるかがわかるのです。
 お年寄りの笑いに注目です。よく笑っているうちは大丈夫。
 大阪大学の公衆衛生学の大平哲也准教授の研究によると、研究対象者に落語を聞かせたり、笑いをとりいれた健康体操や笑いヨガをしてもらったり、日常生活でも笑うように映像や本などを紹介したりしたところ、心の健康状態、精神的な状態がよくなったという報告があります。
 認知機能のテストでは、積極的に笑いをとりいれても点数がよくなることはなかったのですが、期間が半年ですので、すぐに効果が出てくるものではありませんから、駄目だとはいえないでしょう。
 笑うのは習慣ですから、もっと時間をかけてみる必要があると思います。
この研究で女性のほうがふだんから声を出して笑う頻度が高いようです。ほぼ毎日声を出して笑うと答えて人は女性で54%、男性では40%でした。「男は黙って、…」ですかね。
 また、野菜をたくさん食べている人ほどよく笑い、野菜の摂取量の少ない人は笑いの頻度が低かったそうです。
 俳優の杉田かおるさんがテレビで話していましたが、肉が大好きで肉ばかり食べていたようですが、あるとき野菜も食べなければダメといわれ、野菜もたくさん食べるようになったのだそうです。すると、いままでなんでも不愉快と感じていたことが少なくなり、怒りっぽくなくなったといっていましたが、これも関係あるかもしれません。

3つくり笑いでも大丈夫
 笑うといっても自然に笑えればいいのですが。楽しいこと、愉快なこと、うれしいことが常に身の回りにあれば、いつもニコニコ笑い顔でいられますが、なかなかそうはいかない。
 でも、無理にでも笑い顔をつくるのもいいようです。よく笑うようにすると、大げさにいうと顔中の筋肉が動きます。口の筋肉、頬の筋肉、目の周りの筋肉などです。こうした筋肉の刺激が脳を刺激していきます。つくり笑いでも、ある程度筋肉は動きますから、その刺激は脳に届いているはずです。
 つくり笑いをしているうちに、本当の笑いに結びついていきます。
 それに笑うなら、豪快に大きく笑ったほうがいいでしょう。クスッと笑うのももちろんいいですが、ここは大きく笑いましょう。
 笑う門には福来るといいます。これは本当だと思います。
 笑うのは、お金もかかりませんし、誰でもできます。
 それに、人を幸せにしてくれます。笑顔が嫌いという人はいませんね。
 赤ちゃんが笑います。あれは、お母さん、お父さんの関心をひいて、しかも維持させる、生来持っているものだとそうです。人は笑って、人とつながるのですね。
 笑いが、健康にもいいことがわかっているのですから、これからも大いに笑っていきましょう。