あなたは何歳まで生きたいですか

 9月の末に瀬戸内国際芸術祭に行ってきました。小豆島、直島、豊島、男木島、女木島、大島、犬島などで、おもにインスタレーションが展開されています。島々を巡ること自体が楽しいし、めったにふれることのできないアート作品を目にして、心身とともにリフレッシュされました。詳しくはリンクをクリックしてください。アート作品を見てもらうとよくわかります。


 さて、今回は、寿命の話です。
1あなたは何歳まで生きたいですか
 今日は寿命の話をしたいと思います。
放送のパートナー関さんは、何歳まで生きたいですか?
(関さんは、リニアモーターカーに乗りたいのだそうです。リニアに乗って、京都や大阪を旅する。これを実現するまでは生きていたいとおっしゃっていました。何年ごろかな)
 この質問をよくするのですが、人は何歳ぐらいまで生きたいと思っているのか、たいへん興味があります。
 わたしの友人に聞いたのですが、60代の人は70歳以上、80歳までは生きたいといいます。60代のときはそう答えていましたが、70歳になったら、80歳以上生きたい、孫といっしょに一杯やりたいといっていました。お孫さんが生まれたのが少し遅かったので、お孫さんは二十歳になったときは90歳を超えているかもしれません。
 お孫さんに自分がいままで生きた人生を語りたいのだそうです。
 一杯やりながら、お孫さんに人生を語っているおじいちゃん。いい光景ですね。実現するには、ボケずにしっかりと生きなければいけませんよ。
 60歳を過ぎて、ワイン用のブドウを栽培している人がいます。ブドウは接ぎ木をするので、3年ぐらいから実をつけます。いまは8年ぐらいたちましたから、そこそこのワインできるようになりました。それでもワイン用のいいブドウが実るのは20年かかります。自分でつくったブドウでおいしいワインができるまで20年。少なくともその年までは生きていたい。
 これもいいですね。人生の目的と自分が生きていたい年齢が一致しているのが、最高だと思います。
 画家や彫刻家が長生きするといわれていますが、その理由は生きがいがあることだといわれています(参考『100歳までボケない101の方法』)

100歳までボケない101の方法―脳とこころのアンチエイジング (文春新書)

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画家なら、描きたいものがあることです。生きがいというと、なんだか重苦しい感じがしますが、要するにしたいことです。これがないと長生きできない。長生きしても、することがないのは、やっぱりつらい。やはりやることがあることが大切です。

2寿命とは何か
 寿命。ヒトは何歳ぐらいまで生きられるか。先日も、日本人の平均寿命が発表されました。
平均寿命というのは、0歳の赤ちゃんがあと何年ぐらい生きられるかという統計です。2009年の統計では、男性で79.59歳、女性は86.44歳。女性は25年間連続して世界一ですが、男性は前年4位から5位に順位を下げました。
平均寿命が延びてきたのは、がん、心臓病、脳卒中によって亡くなる人が減ってきたこと、とくに今回は肺炎で亡くなる人が少なかったのは影響しているようです。
 お年寄りの「行方不明」が問題になっていますが、平均寿命は亡くなった人の年齢が関係するし、住民基本台帳ではなく、国勢調査をもとに算出しているので、「行方不明」問題には左右されません。
 ちなみに女性の2位は香港。86.1歳。3位はフランス84.5歳。4位はスイス、5位はスペイン。男性の1位はカタールで、81.0歳。サッカーのドーハの悲劇で有名になった中東の国です。カタールがどうして1位になったのか。2007年では76.7歳だったのですが、急に延びました。厚生労働省もくわしい情報はないといっています。イスラム圏ですので、お酒は飲みません。ただし水たばこといわれるたばこを吸います。こちらは害があるようですが、お酒を飲まないのはからだに多少いいでしょう。
石油の産出国ですから、医療費はタダです。カタールの男性が平均寿命世界一なのはなぜなのか。いまもって謎です。
 男性の2位は香港で女性と同じ。3位は、アイスランド、スイスが同率。5位は日本です。

3あと何歳生きられるか
 0歳の赤ちゃんがあと何歳生きられるかという統計が平均寿命ですが、わたしたちがあとどのくらい生きられるかを調べることもできます。
 60歳だと、男性は22.87歳。女性は28.46歳。少なくともあと20年は生きられます。
 90歳の人の平均寿命は男性で4.48歳。女性で5.86歳。100歳でも2.31歳。女性で2.77歳。
 この数字を見ると、すごいですね。もっともこれは統計上のものですが。
 以前お話ししたかもしれませんが、健康寿命というのがあります。これは、WHOが提唱しているものですが、健康に生活できる期間のことです。いろいろな計算方法があるようですが、日本の国民生活白書では、無障害平均余命を使って表しています。
無障害平均余命とは、「健康上の問題で日常生活に何か影響がありますか」という問いに、「ありません」と答えた人を無障害者として、これを平均寿命の考え方にのっとって計算したものです。
 2004年のものが発表されていますが、男性65歳を起点とすると、12.64歳。77歳までは元気に生きられるということですか。女性は、15.63歳。80歳となります。これを平均寿命と比較すると、男性は寝たきりなど病気になって、日常生活になんらかの影響のある歳月は、約7年(男性65歳の平均寿命は約84歳)、女性(約89歳)は約9年。女性のほうが長生きするが、健康寿命が短い。健康でいられる時間が短いことになります。
 先ほどお話ししたように、長生きをしても元気でなければ好きなこともできません。元気でいられるように努める必要があります。
健康寿命を延ばすことが大切です。
 わたしが何歳まで生きたいかというと、75歳までは生きたいと思っています。75歳ぐらいまでは元気で生きられるかなと思っていますが、腎臓の病気もあるし、ちょっとむずかしいかもしれません。
 義理の父は93歳まで生きましたが、病気らしい病気はほとんどありませんでした。これがいちばんの長生きの秘訣でしょう。血圧が多少高かったのですが、年齢相当ですね。
 病気を持っていないこと。これが長寿の第一条件のような気がします。
 さて、わたしは何歳まで生きられるでしょうか。