『測るだけで大丈夫』という本を書きました

1お医者さんがいない
 わたしたちの住んでいるところは、お医者さんがまったくいない無医村、無医地区ではありません。
 でも、東京などの都会と違って、医師の数は圧倒的に少ない。ここに越してくる前に、東京杉並に住んでいたのですが、いまから6年前です。スッと簡単に歩いていける距離、15分以内に、クリニックや診療所が15軒もありました。いまはもっとふえているかもしれません。減ってはいないと思います。診療科でいうと、内科がいちばん多かったのですが、小児科、外科、整形外科、形成外科、精神科などがずらり。歯科も多かったですね。
 15軒のクリニックが、歩いていける距離にありました。人口も多いので、ビジネスとしても成り立っているようです。
 山梨県が公表しているわたしの住んでいる北杜市内の診療所のリストがあります。これによると、診療所、クリニックは全部で16軒。いうまでもないですが、歩いていける距離には一軒もありません。歩いて行ったら30分はかかるでしょう。行きはほとんど下りですが、帰りはすべて上り。まるで登山ですね。このリストの中でいちばん遠くの診療所に行くには車で1時間ぐらいかかるでしょうか。
 わたしが東京にいたときとほぼ同数ですが、これは北杜市全域ですから。
 やはり、医師の数が少ない。
 これから医師がふえるでしょうか。
 かなりむずかしいといえます。
 医師の数をふやそうとしていますが、お医者さんの数を必要なだけ揃えるだけでも数十年かかるといわれています。もっと早くから手を打たなければいけなかった。いままで、お医者さんは足りている、もっと減らせという感じで、政策が進んでいましたから。
 甲府で開業されているお医者さんがいっていましたが、医者にかからないようにすることが、医師不足の地域ではたいへん重要ですと。
 まさに、自分の健康は自分で守る。
 少ないお医者さんをカバーするには、できるだけ自分の健康を自分で管理して、お医者さんにかからないように努力することです。
2血圧を測る意味
 血圧が高い、糖尿病がある、健康診断で血液中のコレステロール中性脂肪が多いと注意された人。いわゆる生活習慣病だといわれた人、もしくはその予備軍。
 まず、自分のからだの状態を知って、改善することが必要です。
 そこで、わたしが提案しているのが、「測ること」です。
 血圧と体重。まず、これを測りましょう。
 日本高血圧学会でも、自宅で血圧を測ることが提唱されています。病院やクリニックで測る血圧が必ずしも危険な状態を教えてくれるわけではありません。血圧の危険な状態を知るには自宅で測らなければなりません。
 血圧は毎日、朝と夜の2回。朝は、起きてトイレに行ったあと、朝ごはんを食べる前、降圧薬を飲んでいる人は薬を飲む前。夜は、就寝直前。わたしは、寝る前にお風呂に入るので、お風呂に入る前です。お酒を飲んだ後とは、お風呂に入った直後は避けてください。
 朝起きて測った血圧が高い人。これがまず問題です。朝血圧が高いということは、寝ている間も血圧も高かった、もしくは朝起きてから血圧が急に上昇したという場合です。
 これはどちらも心臓病や脳卒中を起こす危険性があります。
 本来、夜寝ている間には血圧は下がります。これは、血圧が自律神経という、わたしたちの意思ではコントロールできない神経によって、上がったり下がったりしているのですが、夜は血圧が下がるようになっています。
 夜は、からだを休めている時間です。ですから、血圧も低くなります。朝になり、活動をはじめると徐々に高くなって、からだもよく動くようになります。当然血圧も高くなり、血液が体の隅々まで送られるようになります。
 本来下がっている夜の血圧が高いということは、血圧が高い状態が長い時間続いているというわけです。
 朝血圧は徐々に高くなりますが、これが朝起きてからすぐに高くなるようだと、太い血管の動脈硬化が進んでいると思われます。夜の間ずっと血圧が高い状態は脳卒中の可能性が高く、朝血圧が高くなるタイプは心臓病になる可能性が高い。
 朝の血圧がどのくらいかは、自分で測るしかわかりません。

3病気を未然に防ぐ
 心臓病、脳卒中とともに、わたしたちが亡くなる原因の2位と3位です。
 ふたつを合わせれば、がんをはるかに抜きます。
まず、このふたつの病気を防ぎたい。そのために必要なのが、血圧を測ることです。
 そこで、[rakuten:book:14018515:detail]八重洲出版)という本を書きました。
 この本は、血圧だけなく体重を測って、病気を防ごうというものですが、高血圧や糖尿病と診断されている人は結構いると思います。ともに、生活習慣病です。
 そして、高血圧や糖尿病は、年齢も多少関係がありますが、多くはその人の習慣が関係する、脂っこいものが好き、からだをあまり動かさない、タバコを吸うなどの悪い習慣を持っている人かかりやすい。悪い習慣を改め、いい習慣を持つようにすればよくなる病気です。
 ですから、生活習慣病と呼ぶようになったのです。
生活習慣病を呼び込む悪い習慣。それを知るには、血圧や体重を毎日調べて記録しておく。これが肝心です。血圧が高くなる、体重がふえる。これが生活習慣病のはじまりです。
 わたしたちが住んでいるところと同じように、お医者さんが不足している地域がたくさんあります。
 そこでは、病気にならないことが重要です。
 そのためには、まず、血圧や体重を毎日測ることです。
 まず、『測るだけで大丈夫』を読むことです、なんて、宣伝もしてしまいました。
 よろしくお願いします。