やっぱり歩くこと

 朝日新聞の夕刊(12月20日)を読んでいたら、パッフェンバーガー博士の研究が出ていたので、少し調べてみた。
 パッフェンバーガー博士は、ラルフ・パッフェンバーガーといって、スタンフォード大学メディカルセンターの教授。パッフェンバーガー博士は、疫学を専門とする学者です。疫学とは、人の集団を一定の観点から調査・研究することです。日本では、福岡県の久山町の住民の健康状態を調べているものが有名。
 博士は、長寿と運動に関係する疫学的な研究論文をたくさん書いています。
 新聞には、教授の業績として、階段上る効用が紹介されていたが、有名なのは、ハーバード大学卒業生を対象に行った健康調査。ハーバード大学の卒業生というのがミソですね。いかにも信用がおけそう。
 で、対象にした卒業生の数は16932名(調査を開始した年齢は35歳から75歳まで)。
 ハーバード大学の卒業生を運動と寿命について12〜16年間にわたり、追跡調査をしたのです。
 その結果、最も死亡率が高い人は「ほとんど歩かない人」でした。
 ほとんど歩かない人とは、1週間に3マイル以下しか歩かなかった人です。3マイルは約3.8km。時間にすれば、50分ぐらいでしょうか。1週間に50分も歩かない、確かにほとんど歩いていないといっていいでしょう。
 ほとんど歩かない人をリスク1とすると、「よく歩く人」のリスクは0.79になりました。わかりやすくいえば、リスクが20.1%も減ったことになります。このリスクの数値は35歳から49歳で、50歳から59歳になると34%も低くなり、60歳から69歳では47%、70歳から84歳になると49%も低くなります。
 年齢が高くなればなるほど、ウォーキングの効果が高くなるのです。
 よく歩く人とは、1週間に9マイル以上歩く人です。9マイルは14.4km。時間にして、3時間30分以上でしょうか。
少なくとも1日に30分以上歩く、これで長生きしているというわけです。ウォーキングだけではないでしょうが。
 そして、パッフェンバーガー博士は、さらに階段をよく上る人も調べていました。
 1週間に合計して55階以上階段を上っている人と、20階以下の人を比較しています。
 その結果、55階以上階段を上っている人は20階以下の人よりリスクが33%も低かったのです。
 よく歩き、階段があれば上る。
 1日30分歩き、1週間に55階の階段を上るのは、それほどむずかしいことではありません。
 さっそく今日からはじめてください。