一病息災

1. 一病息災
健康寿命を延ばす」という原稿で、「一病息災が大切だ」と書きました。
すると、校正の人に、一病息災ではなく、無病息災の間違いではないですかという指摘を受けました。
確かに、神仏には、家内安全、無病息災と願います。まったく病気をしないで元気でいられるように願うのはよくわかります。
でも、ひとつでも病気を持っていると、病気にもよりますが、定期的に病院に通ってチェックしてもらうことになります。
そこで、病気を早く見つけてもらえるかもしれません。
糖尿病の専門医に取材をしていたとき、定期的に患者さんを診ているので、病気を早く見つけられるといっていました。
何か様子がおかしい、いつもと雰囲気が違う、と思ったら、いろいろ聞いてみて、場合によって血液検査を追加したり、内視鏡検査、CTといった画像検査を受けてもらうのだそうです。
がんが見つかったこともあるといっていました。
「わたしが主治医ですから、患者さんのからだについてはよく知っていなければ」
とおっしゃっていましたが、こういうお医者さんに出会いたいですね。

2. どんな検査を受けることがいいか
わたしは、東京にいたときも、いまもそうですが、いわゆる健康診断を受けていません。
そして、ここが肝心ですが、通常の健康診断を受けていないことを主治医に伝えてあります。主治医はわたしのからだを診るために、年に1回は画像検査などを指示します。
おもに超音波検査ですが、内視鏡検査を受けることもあります。
主治医の指示による検査は、一般の健康診断より有効だと思っています。もともとわたしのからだをよく知っているわけですし、問題も的確に見つけてくれると思っています。がんかもしれないという「事件」がありましたが、これもその検査のおかげです。
血液検査や尿検査は診察のたびに受けて、チェックしていますから、変化をすぐにわかります。
3ヵ月に1度の検査なのですが、検査結果は必ずもらってきます。
数値はそのときの自分のからだの状態を教えてくれます。
そのときのからだの状態を知ることも重要ですが、検査結果は、前のものと比較することが大切です。
健康診断でも1年前と何が変わっていたのか。これをしっかり見る必要があります。まだ、正常値の範囲でも徐々に高くなっているなら危険信号と思ったほうがいいでしょう。とくに血圧、コレステロール値、肝臓の数値、体重など。
もちろん、そのときの食事の内容に変わってしまうものもありますから、それに一喜一憂しても仕方がありません。たとえば、中性脂肪、血糖値は食事によって大きく変化します。
正常値の範囲なら、食事や運動によって、すぐによくなります。
検査を受けなさいとよくいわれますが、せっかく受けてもきちんと管理していないと、いろいろな数値が教えてくれる、からだの変化を知らないと無駄になることもあります。

3. 自分のからだを常に意識する
一病息災のいいところは、自分のからだを常に意識するようになることです。
常にからだを気にしているのはつらいことかもしれません。
でも、調子がいい悪いということを実感していますか。
あるテレビ番組を見ました。体重計メーカーであるタニタの社員食堂のメニューがすごくからだにいいと評判になっているので、タニタの社員食堂から3食「出前」をしてもらい、1ヵ月でどのくらいやせられるか、調べてみようという企画です。
挑戦した構成作家とタレント夫婦はふたりで合わせて1ヵ月で15キロやせられました。
この番組を見ていて印象的だったのは、100キロ近くあった構成作家が食事を変えて、いままでいちばん調子がいいといっていたことです。
調子がいい、悪いというのは、あくまでも個人的な感想ですが、いままであまりからだのことを意識したことがなかったではないかと思います。
調子がいいとか悪いとか、あまり思わずに生きてきたのではないでしょうか。若いこともありますが、別にからだを意識しなくても生きていけます。
でも、一度からだのことはわかりはじめると、この調子のいい状態を維持したいと思うようになってくるのです。
その後挑戦から1カ月たちましたが、構成作家のブログによると、からだが野菜を欲するようになり、脂っこいものを食べたくなくなり、いまでも体重が少しずつ減っているそうです。
そして、いまでも何よりからだの調子がいい。
食生活がいかに重要かを学んだとありますが、このからだの調子がいいと感じることはたいへん重要です。調子がいいと感じるから続けられるのです。
わたしの場合、逆流性食道炎が目安になりました。
飲みすぎ食べ過ぎだけでなく、夜遅くに食事をすると、確実に逆流性食道炎の状態になることがわかりました。
食事を終えて4時間後、もしくはそれ以上の時間をとってから寝ないとだめです。
先日、取材で遅くなり8時すぎに外食をしたのですが、帰ってきていつもの時間に寝たのですが、何かもたれている感じがして、しかも少しむかむかして夜に何度も起きてしまいました。昔は、飲んだあとで締めにラーメンを食べていましたが、いまはとんでもない。
夜遅くに食べるのはよくないことがよくわかりました。
腎臓に関しては、ほとんど自覚症状がないのですが、やはり塩分とか気になります。
 いわゆるコンビニ食、お弁当はけっこう塩分が多い。シューマイ弁当なんか好きなんですが、ついているお醤油は使いません。
  できるだけからだに興味を持つためにも一病息災ではないでしょうか。