冷え症を防ぐ首巻

冷え症を訴える人がふえています。
指先、足先から冷えていき、手足まで冷え、厚着をしたり、カイロを使ったり、いろいろ工夫しても温かくならないといいます。
指先や足先が冷えるのは、指先、足先に通っている毛細血管が細くなり、血流が悪くなっているからです。
てのひらでいうと、てのひらの表面近くを流れている毛細血管を流れている血液は、てのひら全体の血液量の約2割に過ぎません。そして、冷え症の人は、この血流がさらに悪くなっているのです。
前毛細血管括約筋という筋肉によって、血管が収縮し、血流を悪くしているのです。
前毛細血管括約筋は、寒冷刺激によって動きます。寒冷刺激をできるだけ伝わらないようにしてやれば、前毛細血管括約筋も毛細血管を絞ることがありません。
寒冷刺激は、おもに頸部で感じとるといいます。頸部、つまり首です。
首を温めると、寒冷刺激が遮断され、前毛細血管括約筋も開いて指先や足先の血流がよくなります。
首をマフラーやスカーフで巻くのは、冷え症を防ぐのにたいへん有効といえます。
ただし、前毛細血管は閉じるときは素早いのですが、再び開くには10分から40分ぐらいかかります。
冷え症の人が、温かい部屋に入ってもなかなかからだが温まらないのは、そのためです。



ところで、てのひらの表面を流れている血液はてのひら全体の2割と書きました。残りの8割は、てのひら表面の毛細血管をバイパスしています。
動脈血は毛細血管の吻合部で静脈に流れていきます。しかし、てのひら、指先、耳たぶには、毛細血管に行かずに、静脈へバイパスするAVA(動静脈吻合)があります。
外部の気温が低い場合に、心臓や脳などからだの深部の体温を維持するために、AVAを介して血液をからだの深部へ送り込むわけです。
このAVAの機能もよくないと、からだの奥が冷えてしまいます。
体温の低下は低体温症といって、最悪の場合凍死を引き起こします。
健康であるためには、からだの中の温度を下げてはいけません。



冷え症を防ぎ、さらに体温を維持するためにも、首をしっかり温めておきましょう。
ちょっとおしゃれに首に素敵な色のスカーフを巻く。一石二鳥。


首にタオルを巻いたり、スカーフを巻いたりするのは、わたしの健康法のひとつです。
『民間療法のウソとホント』 http://p.tl/diY0 でも、わたしの健康法を紹介しています。