幸せをまく人になりたい

今年はどんな年かと聞かれれば、やはり震災の年、原発災害の年といえます。
東日本大震災は、千年に一度のものといわれてきましたが、大きな地震が連動して起こる今回のような地震は600年一度は起こるという事実が発表されました。
それにしても大きな災害です。いまでもなかなか復旧、復興が進んでいません。
これだけ大きな災害でしたから、人々はなんらかの影響を受けています。
日常は、まさに日常ということでなんとなくずっと続くものという感じがしていましたが、そんなことはない。
大げさでなく、一寸先は闇。
何が起こるかわからない。
日々をきちんと生きなければいけないと痛切に思いました。


原発に関していえば、日本は世界ではじめて原子爆弾を受けた国です。本来なら、原子力に関しても被爆国としての対応の方法があったと思います。原子力に関して、もっと敏感にならなければいけなかった。
福島で原発が爆発したために、核実験を行い、地球上に放射性物質をまき散らしてきたアメリカやフランス、中国、ソ連(旧)と同じような国になってしまいました。
これは、反省しても反省できるものではありません。


そして、いままでと同じ生活を送ることに疑問を持つ必要があります。


先日、ブータン国王が来日されましたが、ブータンには国民総生産という経済指標ではなく、国民総幸福感という考え方があります。これは1972年に当時のブータン国王が国民総生産ではなく、国民が幸福と感じるような国造りの一環として国民総幸福量という考え方を提唱しました。
金銭的・物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさ、幸福を求めようというわけで、こうした指数をつくろうとしました。
価値観の創出という点ではこうした考えも必要だと思います。


ブータンの人口67万人の中から8000人を選んで72項目について、直接面談を行い、チェックしていきます。
基本的な生活のありよう、健康状態、教育の状況、文化の多様性の保持、自然環境による影響、コミュニティの活力、時間の使い方、統治の状況などの項目について聞くそうです。
毎日生き生きと生活しているか、コミュニティは人々を豊かにするよう運営されているかなどという項目から、人々が幸福と感じているかをチェックしました。
2005年の調査では、ブータンの国民45.1%の人が「とても幸福」、51.6%の人が「幸福」と答えたそうです。


「世界幸福地図」というのがあります。
イギリスのレスター大学の社会心理学者エイドリアン・ホワイト博士によってつくられたものですが、ブータンは9位。1位はデンマーク、2位はスイス、3位はオートリアとつづきます。日本は何と90位です。
ブータン発展途上国。日本は先進国。
しかし、幸福という点ではどうでしょう。
わが国の年間の自殺者は1997年までは2万5000人台だったのですが、翌年の1998年から3万人を突破し、現在もそのままで、改善されていません。
ここで提案したいのは、少なくとも自分は幸福だと思いましょう。以前、このブログで、幸福は伝播すると書きました。幸せはまわりの人を幸せにします。そして、不幸はまわりの人も不幸します。
自分だけは幸せでいいのか、と思われるでしょうが、幸せをふりまいていけばいいのです。
来年こそ幸せをまく人になりたいと思います。
わたしの本、『民間療法のウソとホント』もよろしくお願いします。