病院を評価する

昨年から、ある病院の院長のインビューを続けている。公立の病院をいくつも立て直し、赤字をなくしてきている人である。
病院が赤字になるのは、いくつかの理由があるが、なんといっても患者が少ないからだ。
患者にきてもらうために、できることは何かを真剣に取り組み、できることもきちんと実行し、その結果患者がくるようになる。
病院は、一般企業と異なり、利益だけを求めることはない。利益を中心に考え、行動してはならない。
ただし、病院にも無駄なこともあるし、運営に間違いがある可能性もある。そこで、第三者の目から評価を受ける必要がある。
病院の評価には、財団法人病院機能評価機構という組織があり、1995年に設立している。
院長は、かかわったすべての病院で、病院評価を実施した。病院評価をしてもらうには費用がかかるが、公立病院の場合、県や市の予算をもらわなければならない。
いちばん最初に病院評価を受けようとしたとき、まだ病院を評価するという認識が県や市になく、説得するのがたいへんだったという。
しかし、病院の評価には、病院の理念からはじまり、患者の権利が守られているか、病院の環境やサービスなどの項目があり、それぞれの項目をクリアしていくだけでも大変だが、病院全体で取り組まなければならない。当然、医師をはじめ、職員の意識が高まり、自然とよくなっていく。
病院の立て直しに病院評価を利用したと述べていたが、最近は病院評価が少し甘くなっているのではないかと危惧していた。
とくに大きな病院の場合、点検する人が大きな病院の院長を経験していないと、わからないところもあるといっている。
確かに、病院の大きくになるしたがって、関係者の間の意思の疎通がむずかしくなってくる。


個人的には病院評価をさらに精度を増すために、患者からの希望を入れる必要があるのではないだろうか。ちなみに役員名簿をみるとほとんどが医師もしくは医療関係者である。
もっと患者の声を反映する必要があると思った。