七色の食卓を

わたしたちが食べているものには、必ず色がついています。
野菜でいえば、トマトやニンジは赤、カボチャは黄色。緑はたくさんあります。キャベツ、レタス、ホウレンソウや小松菜といった青菜、ピーマン、きゅうり、パセリなど。
白も結構あります。ハクサイ、ダイコン、カブ、タマネギ、ハス、モヤシ、エノキダケ。関東ではネギも白のうちに入るでしょう。関西では、九条ネギのように青いネギが好まれます。
茶色は、ゴボウ、シイタケ、タケノコ。紫は、ナス、紫タマネギ、紫キャベツ。黒はゴマ。これで七色。
果物にも、リンゴやカキは赤、バナナやパイナップルは黄色、ミカンは橙色、梨は白、グレープフルーツは赤や黄色、ブドウは紫色でしょうか。
野菜や果物をしっかりとることは、認知症だけでなく、高血圧、糖尿病といった生活習慣病を予防するうえで欠かせません。
そこで、食卓の彩りをちょっと意識してみましょう。毎食とはいいませんが、7色の食材が並ぶようにするといいでしょう。


スーパーの野菜売り場にいったとき、1日に350gの野菜をとりましょうというのぼりがたっていました。これは野菜売り場の宣伝ではなく、1日に野菜を350g、果物を200gとりましょうという健康づくり運動のひとつです。野菜や果物を毎日これだけとっていると、さきほど述べた病気になりにくいことがわかっています。
野菜を350gとろうとすると、ニンジン1本で100g、きゅうり1本で100g、キャベツの大きな葉1枚で100gです。果物は、バナナ1本で90g、リンゴは1個250g。これは目安ですが、1日にこれだけの量ととらなければいけません。結構な量です。
しかし、グラム表記ではなかなかわかりにくいので、食卓に野菜が入った料理を5皿、果物を2皿とりましょうといっています。これを略して「ベジフル7」。
野菜料理でいえば、ホウレンソウのおひたし、ピクルス、野菜の煮物などを常備するといいでしょう。野菜炒め、肉じゃがといった野菜が入った料理を食卓に乗せることです。週刊文春(8月16日・23日合併号)で認知症を防ぐ1週間のメニューを紹介しましたが、野菜やキノコを使った料理がたくさんあります。それに果物をとるようにしましょう。


最近アメリカから興味深い報告がありました。
それは赤身肉についてです。
お肉の色を考えたことがありますか。牛肉や羊の肉は赤、豚肉はピンク、鶏肉は白、もしくは黄色。
赤身肉をたくさんとっている人は、死亡率も高く、がんや心臓病になりやすいというものです。このデータは、医療従事者や看護師を対象に20年以上にわたって調べたものです。赤身肉、その加工食品(ハンバーガー、ベーコンなど)を毎日食べている人は死亡率で13・3%増加し、心臓病は18〜21%も高かったのです。
肉を食べるなら、赤い肉より白い鶏肉がお勧め。アメリカ人のように毎日ハンバーガーを食べる人はいないと思いますが、肉に偏ることなく、魚を食べましょう。