わたしたちは100歳まで生きられるか

100歳以上の人口を平成元年から調べてみると、10倍以上にふえました。平成元年の100歳以上の人は3078人、平成21年の統計では40399人。ちょうど10倍を超えたのは平成19年で32295人です。100歳以上の長寿を享受できる人がどんどんふえていくような印象があります。はたしてそうなるでしょうか。
平成19年に100歳を超えた人は明治生まれの人たちです。今年100歳になった人は大正2年の生まれの人。
わたしは、大正4年生まれの義父といっしょに暮した経験があります。義父に聞いたのですが、食生活は子どものころは豊かではなく、肉を食べる習慣はなかったといいます。魚も月に何回と数えるくらいしか食べられませんでした。お米と野菜が主の食事です。成人してからも、いわゆる和食が中心で、たまに洋食を食べるくらいで、肉より魚、野菜を中心とした食事をしていました。牛乳がからだにいいと毎日飲んでいましたが、それも昔からの習慣ではありません。
そして、運動といえば、子どものころから歩くのが常でした。いっしょに暮らすようになっても、毎日歩くことは日課にしていました。東京にいたときから、自転車にも乗らず、出かけるときに公共機関を使って出来るだけ歩くようにしていました。
歩くことは苦にならないといっていましたが、からだを動かすことが当たり前で、車に乗るのは特別なことという感じでした。タクシーにもあまり乗らなかったといいます。
90歳を超えても、子どものころの習慣がしっかり身についていて、からだを動かす必要がなく便利で、いつでもどんなものでも食べられる現代的な生活とは少しはなれていました。
ここが肝心だと思いますが、いま100歳を超えて長寿をまっとうしている人と、わたしたちとはかなり違うのではないでしょうか。
わたしは団塊の世代といわれる一員ですが、ちょうど20歳のときにマクドナルドハンバーガーの1号店ができました。どこでも簡単に食事ができるようになったわけです。わざわざお店に入らなくても、すぐに食べものが手に入る。いまでは、どこにいってもコンビニがありますから、もっと簡単に食べものが手に入るようになりました。
肉もたくさん食べるようになりました。わたしは海辺で育ちましたから、魚や貝類が食卓によく乗りましたが、それでもずいぶん肉を食べてきました。もうすでに昔ながら食生活ではありません。
からだを動かすこともいまは毎日ウォーキングをしていますが、成人してから50歳前半ぐらいまであまり動かしていなかったと思います。
いま100歳になった人とは、生活習慣がずいぶん違うと思います。
わたしたちはいま100歳になった人と同じように長生きできるでしょうか。
食生活をはじめ、生活そのものを意識して変えていかないと長生きはできないのではないでしょうか。
わたし自身は持病もありますから、長生きはできないと思っていますが。
長く生きることが重要なのではなく、どんな人生を生きるかが大切だと思います。