人生はじめての経験

便秘の経験はありますか。
わたしは便秘をしたことがありません。1日に1回定期的な排便があります。排便も習慣化してくるので、わたしの場合でいうと、朝起きてトイレに行ったときがそのときです。
これですっきりという場合もありますが、午前中ウォーキングをしたり、原稿を書いたりしていて、もう一度行くこともあります。午後や夜に排便することはほとんどありませんでした。たいへんきちんきちんとしていました。
痔の手術を受ける前に、肛門部に便がないようにするために強い下剤ではないのですが、朝2錠坐薬を入れ、排便します。朝の排便は習慣ですから、わたしはまったく抵抗はありません。いままでもあまり変わりませんが、何か完全に出しきった状態ではなかったと思います。手術を受けるという緊張もありますから。
手術後は、できるだけ横になって、トイレ(排便)もできれば行かないでください、といわれました。わたしはトイレに行く気にもなりませんでした。翌朝診察を受けたのですが、これからお風呂に入ってからだを十分温めてくださいといわれました。お風呂に入るとすっきりしますよといわれ、不安は少しありましたが、診察後ホテルでお風呂に入ったら気持ちもよくなり、もちろん、痛みもほとんどありません。また排便したあともお風呂に入るようにいわれました。お風呂には何度も入っていいそうです、そうすると痛みもなくなり、楽になるそうです。このときはまだ排便はしていません。
ずっと寝てなくてもいいといわれ、せっかく都会に出ているのだからと、買い物に行ったり、夕方友人夫婦と食事をしたりました。思えば、痛みもなく調子もよかったので、夕食を食べすぎたかもしれません。
土曜日の夜、日曜日になっていましたが、夜中に排便したくなりました。これが痛かった、苦しかった。排便したあとお風呂に入ると痛みが楽になるのでお風呂に入り、よくなったなと思ってベッドに戻るとまた排便したくなります。これをくり返しました。ちょっと下痢気味の状態です。
もっともずっと続いたわけではなく、日曜日もホテルの近くを散策しました。でも、あまり元気ではありませんでした。月曜日の朝に再び痔の診察があり、下痢のことを話すと、抗生物質の影響があるかもしれないと判断され、抗生物質の服用をやめるようにしました。
手術3日後の月曜日に自宅に戻りました。帰った翌日、逆流性食道炎を診てもらいに近くの内科を行きました。痔の手術を受けたこと、腎臓に問題があることなどを話し、咳止めと逆流性食道炎の薬をもらいました。じつは、この咳止め薬には便秘になりやすい成分が含まれていたのです。これはあとになって知りました。そのときは、内科の医師も便秘と痔の手術の関係はよく知らなかったのかもしれません。
咳が止まり、肛門部に腹圧がかからないようになり、痛みもずいぶんなくなりました。このときは便秘のことはまったく気にしていませんでした。
便秘の経験もないこともあり、便秘になったことを自覚していませんでした。排便するたびに痛みがあるものですから、排便をしたくない、という気持ちも働いていたと思います。そんな状態が続き、手術後から1週間以上もスキッと便が出た感じがありません。手術後から9日目の日曜日、排便したくなったのですが、痛みがあります。トイレに行って排便し、すぐにお風呂に入るようにしました。お風呂とトレイを行ったり来たりという状態です。これは結構たいへんでした。この行ったり来たりで排便もできたと思っていました。しかし、この間、何か体調が悪く、パソコンにも向かう気が起こりません。すぐに横になるという感じです。思えばこれもよくなかったのです。排便したらお風呂に入り、出てきたら横になる、まさに病人ではないか。
それでも、かなりよくなったと思っていたのですが、手術後12日めに診察を受けました。すると、腸に便がたまっているから、これを全部出さないといけないといわれました。
浣腸の前に摘便もされました。医師が肛門に指を入れて便をほぐすのです。これが摘便かと思いながら、直腸や肛門部がなどが刺激されるのか、猛烈に排便したくなります。そして、浣腸です。
浣腸後にトイレに行ったのですが、痛みもあるし、排便もしなければ、冷や汗がだらだら流れます。ようやく排便すると、まだたまっているから、今日はすべて排便してもらいます。再び、摘便と浣腸。人生はじめての摘便と浣腸は3回にわたり、ようやく排便しました。
結構苦しかったのですが、クリニックのトイレですし、信頼している医師がすぐに近くにいるわけですから、安心していきみましたが、しかしたいへんでした。
浣腸のおかげで出ました。でもすっきりという感じはありません。
医師から、便秘は治ったといわれました。
自宅に帰り、咳止めの薬もやめ、それから排便できるようになりました。スムーズというわけにはまだいきませんが、便秘は解消されました。
このわずかな経験ですが、便秘は苦しいものだと思いました。
便秘のときは、すっきりしないのはもちろんですが、何となく元気が出ない。仕事をする気にもなりません。すぐ横になりたくなるし、寝ていると楽なので寝てばかりいました。家人には横になっているからいけないのだ、からだを動かせといわれましたが、あまり動かしたくありません。
たがが便秘なのですが、されど便秘。からだの流れがよくないと、いろいろな不都合が起こるものです。痔の手術を受けて、便秘をはじめて知ったわけですが、人のからだは精緻にできているなという印象です。
便秘の解消には、食べもの、たとえば食物繊維、ヨーグルトなどの乳酸菌食品などが有効ですが、わたしの場合は運動が効果的です。
痔の手術後は、便秘もありましたが、からだを動かそうという気にならなかったのですが、少しでも動かそうと思い、ふだんのウォーキングの半分ぐらいの距離を歩いたところ、これがよかったのです。
ひとは、動くものなのです。まさに動物ということでしょう。

歯は磨くだけでいいのか』をまだお読みなっていない方はぜひお読みください。
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