歯がなくても定期点検を
















小海高原美術館                        
増田洋美さんの作品             
池端寛さんの作品





今日は、展覧会の話からしたいと思います。
友人の池端寛さんという陶芸家が参加しています。長野県の小海町に住んでいて、20年前にいま住んでいるところに家を建てたのですが、ここを選ぶきっかけを与えてくれました。彼にいわれたのは、豊かな自然を楽しむために、できるだけ広い土地を手に入れること。自然そのものを手に入れるように、といわれましたが、そんなにお金はありません。でも、家の前は畑で唐松越しに富士山、南アルプスが遠望できます。風景もあわせて購入しました。その後、畑をやっていたお年寄りが亡くなり、森林組合が木を植えています。まだ大きくないの、山もしっかり見えますが、これから先はどうなることか。彼がいっていたのは、こうした変化を先取りして土地を購入しなさいということだったのです。
その池端さんが、小海高原美術館で「もうひとつの自然」というテーマの展覧会に出品しています。久しぶりに彼の作品を見ましたが、焼き上がった陶器を削って浮かび上がってくる模様に光沢を出し、これが陶器なのかという感じです。初期の荒削りのものも好きですが、いまの作品もいいです。
ほかに、山梨県出身の写真家田中孝道さん、増田洋美さんの作品があります。
小海町高原美術館は、小海町のもので、有名な建築家安藤忠雄さんの設計です。建物もユニークですから、一見の価値があります。美術館の近くには八峰の湯という立ち寄り湯があります。温泉に入って帰るのもいいでしょう。


先月愛媛県松山で日本在宅医学会が開かれました。この学会は今年で15回になりますが、全国から3000名の医師や医療関係者が参加しました。
在宅医学会の理事である牧丘病院の古屋聡院長に聞くと、演題には在宅医療をどのようにしていくのかという理念的なものから、小児や認知症患者のための在宅医療の在り方など、具体的なものまで非常にたくさん並んでいます。古屋院長いわく、最強のプログラムだそうです。在宅医療は非常に関心のあるテーマです。例の病気の手術がなければ行ってみたかった。
ところで、在宅医療の中で古屋先生が取り組んでいるのが口腔ケアです。食べる、出すというのは人としてたいへん重要なことだといいます。人として尊厳を維持するために必要だと強調します。わたしもそう思います。
しかし、口に関してはまだまだその認識が薄いのです。わたしも『歯が磨くだけでいいのか』で取り上げましたが、口の中をきれいにするだけでも肺炎の予防になります。高齢者の死亡原因で肺炎は上位ですから、口腔ケアが重要です。
たとえ一本の自前の歯がなく、総入れ歯だったとしても、定期的に点検してもらい、口の中を見てもらうことで、肺炎だけでなく、インフルエンザなどの感染症を防ぐことができます。そのためにも、少なくとも3ヵ月に1回は歯科医でチェックしてもらいましょう。
『歯は磨くだけでいいのか』に関して、近くの書店では新書の新刊もなく置いてありませんが、少しはなれたショッピングモールにあるくまざわ書店には置いてあったので、書店の人に地元のFMラジオで話をするというと、ポップを立ててくれるといってくれました。歯のことももっと関心を持ってもらうため、歯科医が予防歯科にかじを切ってもらうために、『歯は磨くだけでいいのか』を読んで歯医者さんに行ってください。