毎日歯を磨いているのに

歯を磨いていますか、と聞かれれば、みなさん磨いていますと答えるでしょう。
厚生労働省の統計を見ても、わたしたち日本人の95・4%の人が1日に1回は歯を磨き、48・3%の人が2回、25・2%の人が3回以上磨いています。
こんなに毎日磨いているのに、虫歯や歯周病になるのはなぜでしょう。
歯を失ってしまう人もたくさんいます。
わたしは、虫歯は一本もありません。歯周病はありますが、ポケットも小さく、それほど進行していません。しかし、わたしのような例はきわめて少なく、珍しいといわれます。
歯を毎日磨いているのに、残念ながら虫歯や歯周病になってしまう人がほとんどです。
磨き方に問題があるのかもしれませんが、昔に比べれば、正しい磨き方も小学生ころから教えられています。
それなのに、虫歯や歯周病に悩んでいる人は後を絶ちません。
わたしは、この『謎』を解きたいと思いました。
そして、わたしがプロデュースしたテレビ番組で当時国立感染症研究所歯科医師(研究者)に出会い、その謎が解けたのです。その研究者は、虫歯菌の遺伝子を研究していました。彼の業績を知ってもらいたいと、『もう虫歯にならない』(新潮文庫)、『オトナこそ歯が命』(小学館文庫)『虫歯・歯周病』(小学館ビジュアルムック)などの本を編集してきました。その研究者が鶴見大学の花田信弘教授です。
今回上梓した『歯は磨くだけでいいのか』(文春新書)は、花田先生だけでなく、滋賀の井田先生、山形の熊谷先生、長野の天野先生にご協力をいただき、どうすれば歯を守ることができるかをくわしく書きました。
そして、歯を確実に守る方法があることを、この本の中で紹介しています。
歯がからだと密接な関係があり、健康を保つためにも欠かせないことがわかっています。
食べるだけでなく、話すことにも、転倒しないことにも、歯は重要な役割をしています。
歯は磨くだけでいいのか』をお読みいただければ、そのことがよくわかってくれると思います。
毎日、歯を磨くだけでは、歯を守ることはできません。この本を読んで、歯を守る方法をしっかり身につけてください。