藍染めは楽しい


藍染。先日、友人宅で藍染をしてきました。藍染というと阿波、徳島が有名です。そして、藍染といえば、藍の葉を発酵させて染液をつくり、それで染めるものと思っていました。ですから、藍染めができると聞いたのですが、染液が入っているカメのようなものが友人の家にあったかな、なかったような気がするけどと、思いつつ行きました。
友人の方法は、生の藍を使って藍染めをするというのです。
もともとは生の藍を使って藍染めをしていたのですが、生の藍で染めるのですから、藍が育つ季節しかできません。
藍の生育する季節に関係なく、藍染めをしようと、生の藍を保存しているうちに、藍の葉についている還元菌によって発酵が進み、染液が自然にできたのではないかと思います。そして、この菌の活動を助けるために、日本酒やふすまを加えたり、木灰からとった液を加えたり、さらに温度を管理して、染液をつくったのではないでしょうか。
そして、この染液を保存するためにカメにためておいたのでしょう。このカメにためた染液を使って染める方法が、いまわたしたちが知っている藍染の方法です。
今回教えてもらったのは、まさに昔ながらの生の藍の葉をそのまま使った方法です。
十分に大きく育った藍の葉だけをとります。その葉をミキサーにかけ、細かく砕きます。ミキサーで絞ったものを、布でこしていきます。すると、生の藍の「青汁」のようなものができます。この青汁状態のものをなめてみると、本当に青汁のような味がしました。
これに苛性ソーダ、還元剤を少量入れます。これが染液になります。
できあがった染液に、タオル、Yシャツ、枕カバーなどを入れていきます。中で少しかき混ぜ、出して空気にふれさせます。空気にふれると、みるみる青い色に染め上がっていきます。染め残しがあれば、もう一度染液に入れます。後は水にさらして出来上がりです。


蓼食う虫も好き好き、ということわざがありますが、この蓼はヤナギタデという植物をさしていて、葉や茎が苦いので食べる虫もいないとのこと。藍もこのタデの一種で、虫があまりよりつかないようです。生藍の葉をちぎって、ミキサーにかけるのですが、虫食いの葉がほとんどありませんでした。虫よけの働きがあるようで、畑の周囲に、藍を植えて虫よけに使う地方もあると聞きました。防虫効果に関しては、藍に染めた布は虫がくわない、藍の風呂敷に包んでおくと虫がつかないといわれ、実際虫が食わないということはあるようです。
民間療法には、藍の葉を絞ってしぼり汁を虫さされ、毒による腫れに使うというものがあります。漢方薬では、藍の実を藍実といって解毒作用があるとされています。
藍染めをした下着を身につけていると、汗などの匂いがつかないということは実感します。また、山に登ったりするときに藍染めしたタオルを首に巻いていくのですが、匂いもつかないし、気持ちがいいです。
匂いがなくなることがわかれば、高齢者施設などでも、シーツやタオルに藍染めを利用するといいと思います。
今年は、もう藍が育つ季節を過ぎてしまいましたので、終了しました。来年は、何を染めようか、いまから楽しみです。
歯は磨くだけでいいのか』に関連して、新たに取材をしています。こちらもよろしくお願いいたします。