あけまして おめでとう ございます

あけましておめでとうございます。

幸せのおすそわけ、という言葉があります。結婚式のフィナーレで花嫁が参列してくれた人へブーケを投げるのも、幸せのおすそわけです。
おすそわけは別のいい方で、おふくわけともいいます。お福分け、こちらの言葉のほうがいいですね。
じつは、おすそわけは実際に起こるのです。
アメリカにフラミンガム・スタディという疫学調査があります。疫学調査とは、ある人の集団(同じ環境に住んでいる人だったり、同じ職業の人だったり)を一定期間、特定の目的を持って調査すること。
マサチューセッツ州ボストン郊外の小さな町フラミンガムの住民ほぼ全員を1948年から2年ごとに健康調査をして、主に心臓病ですが、どんな人がなりやすいか、反対になりにくいかを調べています。心臓病以外に、高血圧、脂質代謝異常(高コレステロール血症など)、糖尿病などが研究対象になっています。
この調査は、現在でも行われ、その対象は調査当時の住民はもちろん、子ども、さらに孫にまで及んでいます。同じところ(環境)に住んでいる住民全体を長期間にわたって調査しているので、信頼性の高いものとなっています。
このフラミンガム・スタディに、ちょっと面白いものがありました。それは幸福に関する調査です。
そもそも幸福は人によって違うものです。何を持って幸福とするか、まさに人それぞれですが、研究では、「将来に希望がある」「自分は幸せだ」「人生をエンジョイしている」「自分はほかの人と同じくらい幸せと感じる」という項目に対して、まったくないかごくまれに感じる(前記の幸福感を週に1日も感じない)、たまには感じる(週に1〜2日感じる)、ときどき感じる(週に3〜4日感じる)、よく感じる(週に5〜7日)という頻度でチェックしました。
すると、幸せをよく感じるという人を地図上で印していくと、かたまりになっていることがわかりました。一方、不幸な人もかたまりになっていました。
幸せと感じている人のまわりには、同じように幸せと思っている人がいて、それがかたまりをつくっていたのです。一方で、不幸な人もかたまりになっていたのも興味深いですね。
この幸せの研究では、幸せが幸せを呼ぶといっています。そして、その範囲は「友だちの友だちの友だち」まで、3段階まで広がることを示唆しています。
幸せが伝播することがわかったのです。そして、幸せな人に囲まれていると将来幸せになることもわかりました。
あなたのまわりの人間関係を観察してみてください。常に前向きで明るい人と、些細なことにこだわり、暗くものを考える人がいるはずです。
明るい人のまわりには明るい人が集まり、暗い人は暗い人たちで集まるような傾向はありませんか。
幸福も伝播しますが、不幸も伝播するのです。
しかし、もともと幸不幸は人の気持ちのありようで、決まるものです。なにごとにも前向きに取り組むことができるかどうかは、その人の気持ちいかんではないでしょうか。
ですから、伝播するといえるかもしれません。
自ら幸福の扉をあけるか、それとも不幸の扉を開けてしまうか。それはあなた次第といえます。
幸福の広がりは、同じように幸福と思える人の間に広がっていきます。いい方を変えると幸福を受けとめることができる人ではないでしょうか。日ごろから、幸せだなと思える人です。
それがむずかしいという人は、明るく、幸せな人の近くに行きましょう。暗く、マイナスの方向に考える人にはできるだけ近づかないようにすればいいのです。
明るく考えられない人でも、明るい人と付き合っているうちに、明るさが移ってくるものです。
幸福の伝播を距離で測ってみると、隣人が幸福な人の場合は34パーセント、1マイル(4キロ)以内に幸福な人がいる場合は25パーセントだそうです。これは、簡単に会うことができる距離といってもいいでしょう。隣人なら、毎日顔を合わせますから。
あなた自身が幸せをたくさん感じることができれば、それがいちばんなのはいうまでもありません。
あなた自身もできるだけ「幸せのオーラ」を出すようにしてみましょう。

わたしの友人で、一つ年下なのですが、ご主人のご両親を送り、ご主人も亡くなってしまわれたのですが、いままで住んでいた家を壊し、新しく家を建てました。娘さんたちといっしょに住むという選択もあったのですが、これから自分のために生きようと、家も新築し、楽しく生きると決めたのです。友人宅で知り合いになったのですが、いまではいっしょに山に登ったり、食事をしたりと楽しく過ごしています。
あるとき彼女が、自分だけが幸せになっていいのだろうか、といっているのを聞いて、あなたが幸せになることでまわりの人も幸せになるのだから、大いに幸せになりましょうといいました。
自分ひとりが幸せになったという気持ちだと思いますが、そのしあわせの気持ちはまわりの人に伝わっていきます。
自分を愛せない人は他人を愛することができないと思っているのですが、自分を大切にする、そしていまの自分に満足をし、感謝する。こうしたことが、まわりの人を幸せにするのです。
人をうらやむ、ねたむという感情に襲われることもあります。
でも、それはいっときのことにして、いまある自分を大切にしましょう。

みなさん、今年もよい年でありますように。