大雪始末


(1玄関を開けてみたら)

               
(2背丈を超えて)


          

















(3幹線道路は除雪されていない)























雪は2月14日から降りはじめ、15日の午前中まで降り続いた。
14日の夜半、玄関を開けてみたらかなりの積雪で、寝る前に玄関先を雪かきしておいた。しかし、翌朝、玄関のドアを開けようとするとかなりの抵抗がある。ギシギシという音を立ててドアが開いた。みるとものすごく雪が積もっていた。玄関先に停めてあった車は雪の中に完全に埋没している。
その日に娘より連絡があり、停電になるといけないので、携帯電話の充電をしておくように、といわれる。家の固定電話にも電気が必要だが、ラインがつながっていれば連絡はとれるかもしれない。これは確認していない。まず、確実に外部と連絡をとるには、携帯電話しかない。携帯電話だけでなく、携帯電話専用の充電器、WiFiの充電器なども確認しておいた。
15日は、まだ雪が降り続いていたので、一歩も外に出ず、降り積もった雪を観察するのみ。翌16日は雪も止み、玄関から家の前の道路まで雪かきをし、車も掘りだす。
雪かきした雪は車の両側に積み重ねていくが、わたしの背丈より高くなり、雪を放りあげるのもむずかしくなる。車と雪壁の間に人が通れるだけの道も確保した。
ようやく家の前まで雪かきするが、幹線道路まで続く家の前の坂道が約100mある。この坂道の雪かきはひとりではできない。
あきらめて呆然としていると、我が家から下1000mぐらいで養魚場を経営しているMさんの高校生の息子さんが、下からラッセルしてやってくる。いちおう人が通れる道をつくろうと思っています、という。頼もしい限り。車なしでは、下界まで降りるのはたいへんだが、歩いていける範囲が少しでも広がるのはありがたかった。
彼がつくった道を雪に埋もれるようにして歩いていって、幹線道路を見ると、ここも人がひとり歩くぐらいの道がつけられているが、除雪はまったくされていない。
除雪がいつごろくるかという連絡はない。災害メールに登録していているが、除雪がどこまで進んでいるのかという情報はなく、不要な外出は避けるようにという内容もメールはくるだけで、除雪情報がない。これでは災害メールの役に立っていないのではないか。
この大雪に対し、市の除雪能力では除雪はできないのではないかと思った。大雪による災害が起きたのである。
甲府でも積雪は114cmを超え、観測史上はじめていわれていたのだから、遅くとも16日には災害本部を立ち上げ、国などに救援などの要請をすべきだった。
歩いて行ける範囲は限られているから、わたしたちは孤立したといってもいいだろう。
我が家では、情報のない中「籠城」を覚悟し、食糧、燃料などを点検した。食糧は常に1週間分ぐらいは確保していたし、燃料は灯油がひと缶の3分の2程度あることがわかり、灯油を使った暖房はできるだけ避け、薪ストーブを利用するようにこころがけた。薪は友人が分けてくれたものもあり、余裕はある。プロパンガスの量はわからないが、大丈夫だろう。
電気さえ止まらなければ、井戸からの水なのでこれも大丈夫。
停電になると、水道、ガスも止まってしまうから、ライフラインが断たれる。雪を薪ストーブで溶かし、飲料水にすれば、生き延びることができるだろう。
いろいろな状況を考えながら、停電にならないことを祈るしかない。
食糧に関しては、山の中に住んでいるので常にある程度保存してある。非常食という形ではないが、調理したが夫婦ふたりで食べきれないものは冷凍してある。今回これがずいぶんと役に立った。(続く)