ボディパーカッション

ボディパーカッションというのをご存じですか。
わたしもまったく知らなかったのですが、こちらにきて友だちになった友人夫婦の奥さんが、ボディパーカッションのパフォーマーでした。
ボディパーカッションとは、簡単にいえば、自分のからだをたたいて打楽器のようにして、音楽をつくることです。
からだをたたくといいますが、手拍子をとるように手をたたくだけでなく、胸元、太ももの外側、ひざなども手でたたきます。ほかには、指を鳴らしたり、足をふみならしたり、口笛を吹くように唇をとがらせて音を出したり、まさにからだ全体を使って「音」をつくります。それに強弱をつけると、じつにいろいろな「音」が出るものです。また、リズムを変えると、もっと複雑な「音」になります。
ボディパーカッションは、ひとりでやる人もいますが、わたしの友人はグループをつくって、音のやり取りをするので、迫力もあり、なかなかおもしろい。
音楽というと、耳慣れているのは人の声や楽器の演奏ですが、ボディパーカッションはもっとプリミティブな感じがして、これがコミュニケーションのはじまりかなと思いました。言葉が通じないときに、わたしたちも身振り手振りで意思の疎通を図りますが、もう少し高度なコミュニケーションの方法として、たたいたりして音を出したのではないでしょうか。
仮に、からだが不自由でも「音」を出すことで、相手とつながることができるのです。
ボディパーカッションは、パフォーマーがつくる音を楽しむだけでなく、観客もいっしょになって、いろいろな音づくりを楽しみます。簡単な音でも皆がいっしょになるのを見ていると、まさに「音」を通したコミュニケーションなんだと思います。そして、これが「音楽」なのです。
また、からだをたたくだけでなく、たとえば、パフォーマーがそれぞれ違う方法で紙を手で裂き、細かく違ったり、丸めて床に投げたりして、そのときに発生する「音」を楽しむというものもありました。
まさに耳をすませば、わたしたちのまわりには、たくさんの「音」があることを実感します。それもまた、音を楽しむ、「音楽」になるわけです。



ボディパーカッションはからだを動かすことですが、わたしはからだを動かすこと、動くことが動物といわれる人間の基本だと思っています。からだが不自由で自分の思い通りに動かすことができない人もいますが、そういう状態でない人は、常に体を動かしていることが大切なのです。
反対にからだを動かさない状態で起こる病気のことを廃用性症候群と呼びます。ずっと寝たままの状態でからだを動かさないと起こる床ずれ、脳梗塞などでよって筋肉が動かなくなってそのうちに硬くなり、ますます動かなくなったりする拘縮、骨粗鬆症によって起こる骨の萎縮などです。
廃用性症候群の前駆症状とでもいえますが、生活不活発病という症状があります。これは、災害などによって環境が大きく変化したりすることでも起こりますが、毎日のチェック項目でいうと、外出の回数が減ったりすることでもわかります。ほぼ毎日外出するというなら、OKですが、それが週に1回ぐらいに減り、さらに月に1回、もしくはまったく外出しなくなるようでは、生活不活発病といえます。
生活不活発病になると、認知症になったり、高血圧、糖尿病などの生活習慣病になったりする可能性が高くなります。
日ごろからからだを動かすことがたいへん重要です。
機会を見つけて、からだを動かすようにしましょう。