痛風にご注意

痛風になった。
腎臓に負担をかけないように尿酸値を下げる薬を飲んでいたし、食事もそれなりに注意していたつもりだったが、痛風の発作に襲われた。
理由はいくつか考えられる。わたしの場合はストレスと水分不足が原因ではないだろうか。発作が起こる前、単行本の原稿をいちおう脱稿したが、原稿の量が不足しているといわれ、原稿を全面的に書き直そうとしていた。
それと、信州・諏訪湖を友人たちといっしょに一周してみようと計画を立て、実施したばかりだった。夏場のウォーキングと違って、水分補給にあまり気を配らなかった。汗もかかないし、のども渇かないから、しかも山行と違って平地を歩くのだから、といろいろ甘く見ていた。
諏訪湖は1周16km。普通にあるいても4時間はゆうにかかる。10時に出発して、途中岡谷で昼食をとったりして、ゆっくりゆっくり歩いたので、歩き終わったのは午後4時。多少疲れはあったが、それほどのからだに負担をかけたとは思っていなかった。
しかし、冬の間、それほどからだを動かしてこなかったし、それなりの運動だったのである。こと水分に関しては、もっとしっかりとったほうがよかった。さらに昼食にビールを飲んだりして、これも水分不足を招いた。日ごろ朝のウォーキング以外にからだを動かすことはないので、水分だけでみると、500mlもとっていない。ほかにコーヒーやお茶を飲んだりしているので、けっこう水分はとっているつもりだったが、からだを動かしたときはもっととらなければいけない。のどが渇く前から水分をとるようにしているのだが、ただ歩くだけだからと思ったのがいけなかった。
諏訪湖一週をしたあと、ちょっと足の第一指の関節に違和感があるなと感じていたのだが、友人夫婦が帰ることになり、ビールを飲んだことが発作を引き起こしたようだ。
ちょっと痛風かもしれないな、という自覚症状があったのに、飲んでしまったのである。足の第一指の根元関節部分が赤く腫れ、痛みもある。診察をしてもらったところ、典型的な痛風ですといわれた。尿酸値の数値は、発作が起こるぐらい高くなっていなかったのだが、尿酸値の値が低くても起こるという。
医師には、自分で診断できるのにどうしてビールを飲んでしまったのですか、と笑われてしまったが、ビールを飲みたい気分だったのだ。
腎臓の具合が悪いので、強い痛み止めを服用することができないので、弱い痛み止めで我慢した。
痛風といわれるくらい、痛みは激しく、とくに夜が眠れない。就寝前に入浴する習慣があり、患部を温めるのがよくなかったのだろう。お風呂に入るとき、最初は痛みのある足を湯船をつけていたのだが、患部を温めると痛みがひどくなることがわかったので、腫れている足だけ湯船につけないようして、さらに寝ているときも腫れている足の下にクッションを置いて高くして寝るようにした。これで少し痛みが少なくなり、眠れるようになった。
痛みも患部の腫れも2週間以上続いた。靴がはけないので、サンダルを愛用していたが、普通の靴を履いてウォーキングができたのは18目だった。
そもそも痛風は、尿酸がからだの中にたまり、それが結晶になって関節に張り付き、関節に炎症が起こる病気である。尿酸がたまり、高尿酸血症という状態になり、結晶になるのだが、わたしのように尿酸値があまり高くなくても起こる場合がある。
痛風は、かつて日本人には少ない病気といわれてきた。食生活が豊かになり、尿酸値が高くなるたべものをたくさんとるようになり、1960年代から急速にふえてきた。肉や魚、魚卵などを食べすぎないこと。アンコウの肝、カツオ、イワシ、白子、肉では鶏、牛、豚のレバー、干しシイタケにも多い。野菜は全体的に少ない。
女性に痛風の人が少ないのは、女性ホルモンが尿酸の排せつを促す働きがあるからで、閉経後はふえてくるようだ。
最近わかってきたことで、痛風の発症に遺伝的な体質が関係していることだ。ABCG2という遺伝子をもっている人ほど痛風になりやすい。現在わかっている範囲でいうと、患者の2割は父親、叔父、従兄弟に痛風をもっているという。遺伝子の解明が進むと、もっといろいろなことがわかってくるだろう。