自宅で亡くなるために必要なこと

自宅で亡くなる人は統計(2009年)をみると、12・4%。死亡者の1割しか自宅で亡くなっていない。
終末期の療養場所に関する希望というデータがあるが、「自宅で療養して必要になればそれまでの医療機関に入院したい」人が23%、「自宅で療養して、必要になれば緩和ケア病棟に入院したい」人が29・4%、「最期まで自宅で療養したい」人が10.9%。これを「自宅で療養したい」人として集計すると6割を超える。
「最期まで自宅療養したい」という人は1割だが、あわせて6割近くの人が、終末期は自宅で療養したい、最期だけは病院で、と願っていることがわかる。
なぜ自宅で死ねないのだろう。
それは、自宅で死ぬには、家族の協力や友人たちの手助けがないとむずかしいからだ。人の手をまったく頼らずに自宅で死ぬことはできない。
終末期に在宅で療養ができた場合の条件を探ってみると、
「必要な在宅医療・介護サービスが確保できたから」(42.4%)
「病状などから、医療機関における医療が必要ないから」(33.9%)
「家族などの介護者が確保できたから」(32.9%)
が上位に並ぶ。
面倒を見てくれる人(環境)が整ったから、自宅で療養できることになっているが、わたしが注目したいのは、これらの項目と別に、
「本人、家族などが強く希望したから」(33.4%)
という項目がある。しかも3割の人がこれで自宅での療養に成功している。つまり、自分で希望することが重要なのだ。
本人の意思が強ければ、自宅で療養し、そして亡くなることもできる。
胸を張って、自宅で死ぬぞ、といえばいい。
これはずいぶんと元気づけられるではないか。自宅で死ぬぞ、宣言することがはじまりのようだ。

『自宅で死にたい』http://www.amazon.co.jp/%E8%87%AA%E5%AE%85%E3%81%A7%E6%AD%BB%E3%81%AB%E3%81%9F%E3%81%84-%E8%92%B2%E8%B0%B7%E8%8C%82/dp/486238210X