寝たきり老人の93%がサルコペニアだった

サルコペニア、筋肉減少症という病気は、こんなことがきっかけで起こるということを書いた。
運動嫌いが遠因にあり、ちょっとした病気で入院したときに、ほとんどからだを動かすことがなくなり、起こるようだ。友人の母親がそうだった。
昨年の日本骨粗鬆症学会で、寝たきり老人とサルコペニアの関連を調査した論文があるが、それによると、寝たきりの人の93%がサルコペニアだった。これは有料介護施設に入居されている寝たきりの人を調べたもので、対象となったのは男性28名女性32名で、平均年齢は81.4歳。
この研究をしたのは、名古屋大学整形外科の飛田哲朗医師。
サルコペニアを正確に調べるには、筋肉量、筋力、身体能力などを調べる必要があるが、からだのなかの電気抵抗から筋肉量を推測し、握力から筋力、さらに身体能力、さらに骨量も調べている。
その結果、寝たきりになっている人の93%にサルコペニアがみられた。
寝たきりは骨折によっても起こるが、サルコペニア骨粗鬆症の関係も調べると、サルコペニア骨粗鬆症にもなっている人は96%だった。
寝たきりになる可能性が十分にある、厚労省の要介護者の統計を見ると、脳卒中によるものが1位で、認知症が2位、高齢による衰弱が3位だが、サルコペニアという病気で調べた大掛かりな統計はないが、おそらく1位になるのではないだろうか。
日ごろから、からだを意識して動かすことが何より必要だ。