ビタミンD不足を補うために

サルコペニアが寝たきりの原因となると述べてきたが、寝たきりになってしまう原因のひとつに骨粗鬆症がある。骨粗鬆症はご存じの方も多いだろうが、骨がすかすかになって簡単に折れてしまう病気である。骨粗鬆症になると、太ももの骨や脊椎などが、転んだりするだけでなく、椅子に勢いよく座ったりしたことで簡単に折れてしまう。太ももや脊椎などが折れてしまうと、これが原因となってねたきりになる。
この骨粗鬆症サルコペニアの関係も明らかになった。
名古屋大学整形外科の飛田哲朗医師の研究によると、骨粗鬆症になっている人の96%がサルコペニアだった。
寝たきりの原因がサルコペニアである可能性が大きくなってきている。
ところで、骨粗鬆症を防ぐには、運動と食事が欠かせないが、飛田医師によると、骨粗鬆症になっている人でビタミンD不足が目立つという。ビタミンDは、腸管でカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素。乳製品をはじめ、カルシウムを含んだ食べものをしっかりとっていても、ビタミンDが足りないと骨粗鬆症にもなりやすい。
ビタミンDは、アンコウの肝やカツオの塩辛、白キクラゲ、キクラゲなどに多いが、有効なのは日光浴だ。
国立環境研究所が、昨年11月に日々の生活に必要なビタミンDを日光浴でとるために必要な時間を発表した。ビタミンDは、太陽の紫外線を浴びることで皮膚でつくられる。それによると、北日本では積極的に日光浴をすることを推奨している。
札幌では904分(12月の9時以下同時刻)、つくばでは193分、那覇でも142分。これが12時になると札幌では139分、つくばでは41分、那覇では14分となる。
これが7月になると、札幌(9時)では14分、つくばでは11分、那覇では16分、12時では札幌が8分、つくばが6分、那覇が5分となる。
季節によって、日光浴の必要な時間が変わる。
日光浴は、顔と両手に浴びる紫外線を元にしている。
日光浴によって皮膚に障害が起こる時間も計算されていて、7月の場合でも札幌で39分(9時以下同時刻)、つくばで32分、那覇で46分。
冬場はとくに日光浴をしたほうがよさそうだ。