生がいいというのは

E型肝炎という病気があります。
B型、C型肝炎というのは多少なじみがあると思いますが、E型肝炎は日本ではほとんどありませんでした。
発展途上国で水道設備が整っていないところで、この肝炎のウイルスに汚染された水を飲むと感染します。
とくに、洪水が起きた後に発生することが多いようです。
発展途上国に行くときは、水に注意しなさいといわれるのは、下痢をしたり、腹痛を起こすだけでなく、感染症が怖いからです。
今回は、このE型肝炎についてお話しましょう。
E型肝炎は、劇症肝炎といって、早く治療をしないと死に至る病気になります。
38度以上の高熱が出て、全身に倦怠感が起こり、食欲不振、黄疸、褐色尿が現れます。
治療は、血漿交換、人工肝補助療法、肝移植などが必要になります。
ウイルスが原因ですので、治療は発熱などに対する対症療法しかありません。怖い病気です。
E型肝炎のウイルスが豚肉では見られます。ですから、豚レバーの生食などはもってのほかです。
また、ジビエ料理といって、シカやイノシシといった、動物の料理があります。シカやイノシシの肉にもE型肝炎ウイルスがみつかっているのです。
わたしが住んでいる八ヶ岳南麓では、シカがふえ、新芽を食べたり、木の皮を食べたりして、森が枯れているところが見られます。
山に登るとよくわかります。
そこで、猟をして捕獲するのですが、それを食すことは命をいただくという意味合いもあり、大切なことです。
しかし、、食べるときにはしっかり火を通すことです。加熱すれば、ウイルスは死にますので。。
新鮮だから、獲りたてだから、というのは安全の証拠でありません。
じつは、シカやイノシシの肉にE型肝炎ウイルスが存在することを、発表したのは日本の学者なのです。
日本でシカやイノシシの肉にE型肝炎ウイルスが見つかったといってもいいでしょう。
シカやイノシシ、もちろん豚も生で食べてはいけません。
豚肉はもちろん、シカやイノシシには十分に加熱して食べましょう。