わたしの本があった

 わたしが住んでいる市は、八つの町や村が合併してできました。
それぞれの町や村にあった図書館は、運営は市が一括して行うことになりました。
しかし、かつての町や村の『個性』のようなものが図書館にもあります。それは生きています。
 かつて利用してきた図書館がなかでもいちばん大きく、いまでは中心的な役割を果たしています。


 ところで、仕事でもプライベートでも図書館はよく利用します。
原稿を書くときに、資料となるようものはないかと、棚に並んでいる本をじっくりと見ます。
都会の図書館ほど充実してはいませんが、ずいぶんと役に立ちました。
毒物に関する事典があり、それを調べていたら、健康食品の材料としてよく登場する
キノコがあり、その学術的な根拠を知ることができました。
  もちろん、その本だけで原稿が書けるわけではありませんが、思わぬ情報にふれ、助かりました。

 読みたい本が近くの図書館にない場合、市内のすべての図書館にあたり、そこで見つかれば、指定の図書館で受け取ることができます。
 自分で本の検索もでき、本の取り寄せも可能です。
 読みたい本を探していると、その本を所蔵している図書館も自然とわかります。
読みたい本がよくあったのが、いま住んでいるところにある図書館でした。
 転居して、住所変更を兼ねて、その図書館に行ってみました。
はじめてきたわけではないのですが、仕事に関係する棚もじっくり見ました。
すると、なかなかおもしろい本が並んでいます。
図書館によって、所蔵している本もずいぶんと違うものです。
 これでしばらく楽しめそうです。
ちなみにわたしが書いた『自宅で死にたい』(バジリコ)も置いてありました。
ちょっとびっくり、そしてうれしい。