その薬、大丈夫?

交通事故で友だちが腕の骨を折った。
助手席に乗っていて、右の腕を骨折したという。助手席だったら、骨折するのは左腕だろうと思っていたら、右腕だった。
乗っていた車が反対車線に飛び出し、正面衝突をした。ぶつかった車の次に来ていた車に当たって止まった、ということだから、かなりのスピードが出ていたのだろう。
原因は、よそ見運転か、居眠り運転と思われるが、わからないという結論らしい。
おそらくとっさの判断で、右腕で体もしくは顔を防いだために、右腕が犠牲になったと思われる。
骨折ですんだが、交通事故のように、自分の判断ができない状況で、骨を折ったりすると、意外な折れ方をしていたり、無理な体勢をしたりするたために、なかなか治りにくい。
治療を続けているが、骨の回復が遅いと、整形外科医にいわれ、どうなっているでしょう、歳かしらと相談を受けた。
どんな薬を飲んでいるか、と聞いてみたら、降圧薬と骨粗鬆症の薬だという。
骨粗鬆症の薬はやめたほうがいいとアドバイスした。
骨粗鬆症の薬の中には、骨の代謝に関係する薬があって、代謝を遅らせるものがあるからだ。
骨粗鬆症の薬は、内科の医師から処方されているが、当初は毎日飲むタイプだったが、そのうち月に一度の服用ですむ薬ができ、そのほうが飲み忘れもないし、簡単だからと切り替えたという。
1ヶ月1回飲むだけなら、毎日飲むより面倒ではない。しかし、それだけ作用が強いといえる。
知り合いの歯科衛生士から、骨粗鬆症の薬を飲んでいる人に、薬を服用したままで歯科治療をすると、あごの骨が壊死するなどの重大な事故につながるので、必ず確認して、服用をやめてもらってから治療をしますということを聞いていたので、骨折でも同じようなことが起きているのではないかと思い、アドバイスしたのである。
さっそくかかりつけの内科の医師に相談したところ、骨折がよくなるまで薬の服用はやめましょうといわれたそうだ。
骨粗鬆症の薬といえば、骨を強くするから、骨折にもいいのだと思いがちだが、骨の代謝を遅らせるというものもあり、注意が必要だ。