わたしを救ってくれたのは

音楽療法という代替療法があります。患者さんの気持ちをリラックスさせたり、前向きにさせたりします。うつ病などの精神疾患やがんの疼痛の緩和、認知症などにも有効といわれています。音楽療法士という資格があって、学会もあり、現在6000名の会員がいるそうです。
患者さんの話をしっかり聞いて、どんな音楽がその人にとっていいのかを選んで、演奏するようです。


ところで、リラックスできるという音楽がすべての人に共通するものではありません。人によって違います。
子どものころ、聞いた歌を懐かしく感じる人が多いでしょうが、苦手な人もいます。あまりいい思い出がないこともあります。
その人その人で音楽を選ぶことが重要なようです。


あなたにとって、リラックスできる音楽はどんなものでしょう。
いままで聴いた音楽の中に、こころが落ち着いたり、気分転換ができたりするようなものがきっとあると思います。


わたしの音楽遍歴をかいつまんでみましょう。
まず、もの心ついたときに、出会った音楽というと。
わたしがはじめていったコンサートは横浜市内であったブレンダ・リーのコンサートでした。パンチの利いた歌が多いのですが、バラードの『世界の果てまで』が好きでしたね。この曲は、いまでも好きです。


ビートルズも好きです。
彼らは、それまでもいわゆるポピュラー音楽が一変させました。中学生のときです。
それから、グループサウンズフォークソングが流行し、若いときはいつも音楽がありました。
ジャズが好きになったのは、学生時代。
そのころのジャズ喫茶に行くと、暗くて、みんな静かに耳を傾けている感じで、ちょっと話したりすると、シーッといわれました。ジャズ喫茶はあまり好きな場所ではありませんでした。


その後、就職しましたが、仕事を変えたり、独立したりと、忙しく、しばらく音楽から遠ざかっていました。



40代の半ば、編集長として雑誌を創刊することになり、かなり追いつめられていたのでしょう。
家に帰っても、ボオッ―としていました。
そのとき、カミさんもPTAで忙しくしていて、カミさんの友人が心配して、たまには音楽でも聞きなさいとCDをくれたのです。
そのCDをカミさんが聞いていて、なんだかいいなと思い、昔好きだったジャズのCDをもとめました。それから、休みの日はジャズを聴くようになりました。
いまにして思うと、音楽に救われました。


それからは、ジャズが中心ですが、いつも生活に音楽があるようになりました。
いまふと思うのは、音楽が身近にあってよかったなということです。


ほぼ毎週地元のFM局で医療健康に関する話をしていますが、話の間に3曲音楽をはさみます。その音楽を選ぶのが楽しみです。
CDの並んだ棚からその日にかける音楽を選びます。
直近の放送で、音楽の話をしました。そのとき選んだのは、わたしにとって古典といえる、キャノンボール・アダレイマイルス・デイヴィス『枯れ葉』、MJQの『ジャンゴ』、ビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビイ』。


あなたにとって、身近にある音楽は何ですか?