山梨は日本一?

「山梨は日本一です」というと、富士山のことですか? 移住したい県かな? とお思いになるでしょうが、悪いほうの日本一なんです。

それは塩分の摂取量。2010年の厚労省の統計で山梨県民が日本でいちばん多く塩分をとっていました。この統計は男女別になっていますが、男女とも日本一です。男性の2位は青森県、女性は茨城県。その後、2012年の統計を見ると、男性も女性も第5位に下がっています。

よかったと思いたいところですが、塩分摂取量を見ると、日本一のとき男性が11.8g、女性が11.6g。第5位になっても、その数値は男性が12.3gと、減っていないばかりかふえているのです。女性が10.3gと少し減っています。残念ながら、摂取量は減っていません。ちなみに塩分摂取量の目標は男性で8.0g未満、女性で7.0g未満です。

塩分が多いと血圧が高くなるのはご存じですね。前回、「血圧を自宅で測ろう」という記事を読んだ友人から「血圧を下げる方法も教えて」といわれたので、まず塩分を減らしたほうがいいだろうと調べていたところ、“山梨日本一”に遭遇しました。

じつはわたしは、腎臓の病があり、できるだけ塩分を減らすように医師からもいわれています。栄養士から指導を受けたとき、「腎臓の状態がもっと悪くなると、塩分などがかなり制限され、そのときになって急に塩分を減らすと食事がすごく味けないものになってしまうので、徐々に減らして、慣れていきましょう」といわれました。

そこで、はじめたのは食卓から醤油瓶をなくすこと。お刺身や焼き海苔にはたっぷりとお醤油をつけて、それをご飯に乗せて食べることが、何より好きでした。まず、これをやめました。醤油を使う場合もすべて小皿にとります。もう少しお醤油を思いますが、そうするといちいち食卓からはなれてとり行かなければなりません。これが予防策になります。納豆も大好きですが、ついてくる調味料はひとつ分しか使いません。料理の味付けはカミさんに任せてありますが、自分で使う塩分に関しては、極力減らしました。

最初のうちは、少し物足りない感じがしましたが、あくまでもそれは感じで、自然と慣れていきます。薄味になれるといいますが、まさにその通り。外食をしてみると、これを実感します。塩辛いと感じますし、濃い色を見ただけで十分という感じになります。こうなればしめたもの。
血圧を下げるために、とりたいものもあります。

それはカリウムカリウムは、果物や野菜に多く含まれているミネラルです。カリウムをとることで、ナトリウムとのバランスをとって、血圧が下がります。

とくに、カリウムの多いものは、いまの季節なら断トツに多いのが切干大根、干しブドウ、きな粉、昆布、そして干し柿。なかなか理想の塩分摂取量にはならないと思いますので、カリウムで自衛しましょう。ただし、腎臓の悪い人はカリウムをとりすぎてはいけません。わたしは食べられませんが、みなさんはこれで今年の冬は血圧を気にせず、乗り切りましょう。


八ヶ岳ジャーナル』の12月1日号に掲載したものです。
ここで、少し内容のうちあけ話をします。
書いてあるように、友人から「血圧を下げる方法も教えて」といわれたのは事実です。
書きすすめていたのですが、最初カリウムの項はありませんでした。
わたしは、腎臓の病気があるために、カリウムはできるだけ避けるようにしています。
カリウムが血圧を下げる作用があることはよく知っていましたし、かつて健康情報を書いていたときに、カリウムの働きや含まれているものを紹介してきました。
それを、わたしの個人的な理由で、頭からはずしていたのです。
カリウムをとってはいけない人は腎臓などが悪い人で、こうした規制がなければ、カリウムはとったほうがいい。
そんなことを思い出して、付け加えました。