幸せは人から人へ

あけまして おめでとうございます


今年の漢字』を選ぶという行事があります。師走にその年のイメージを漢字一文字で表すというものですが、昨年は「安」が選ばれました。
「安」が選ばれて喜んだのは、「安心してください、はいてますよ」という全裸ポーズで話題になった、お笑い芸人「とにかく明るい安村さん」でした。


一見全裸に見えますが、ポーズを変えるとちゃんとはいているギャグもなかなか考えたな、と思いますが、わたしが注目するのは、その芸名。「とにかく明るい」というのがいいです。


人を明るい、暗いで分けることは、あまり好きではありませんが、お付き合いいただくなら、明るい人がいいですね。
ものごとを明るく、いつも前向きに考えることができる人は、幸せな人といえます。


「幸せだ」と思っていると、その幸せは「人にも伝わる」ことがわかりました。

アメリカのボストン近郊の小さな町フラミンガムの住民を対象に、50年以上にわたって、心臓病の起こる原因などの健康調査をしています。これをフラミンガム・スタディといいます。長年にわたり、ひとつの地域住民の調査を徹底的に行っているので、さまざまな成果が報告されています。この中で、幸せに関する研究がありました。


『将来に希望がある』『自分は幸せだ』『人生をエンジョイしている』『自分はほかの人と同じぐらい幸せと感じる』という項目に対し、1まったくないかごくまれにしか感じない(週に1日も感じない)2たまに感じる(週に1~2日は感じる)3ときどき感じる(週に3~4日は感じる)4よく感じる(ほぼ毎日感じる)という頻度でチェックしてもらい、4の幸せをよく感じる人が住んでいるところを地図上に記していきました。


すると、幸せをよく感じる人たちはかたまりになっていたのです。
「幸せ」と感じる人のまわりには、同じように幸せと思っている人は集まっていて、それがかたまりになっていました。反対に幸せではないと感じる人もかたまりになっていました。


この研究では、ひとりの人が幸せと感じると、それが伝わって周囲の人も幸せになる、「幸せは人から人へ伝わるのでないか」と結論しています。


幸せが伝わる距離もわかっていて、幸福な人がいると周囲4キロの人の25%の人が幸福を感じるようです。


とにかく明るい安村さん」が、本当に明るいかどうかわかりませんが、“はいてますよ”というギャグは楽しいし、思わず笑ってしまいます。
昔から「笑う門に福がくる」といわれます。


楽しいことを見つけ、笑い、それで幸せと感じれば、それがあなた自身を幸せにするだけでなく、となりの人、さらにそのとなりの人と伝わっていきます。


結婚式の最後に花嫁が後ろ向きなってブーケを投げます。それをとった人が次に結婚できるというブーケトス。あれはまさに幸せのおすそ分けですが、今年はぜひともお福分けをしましょう。
どんな些細なことにも、幸せを見つけることが健康にはいちばんなのですから。

八ヶ岳ジャーナル』2016年1月1日号より