実家「感」とは
「前のうちより実家感があるね」
これは、娘がいま住んでいるマンションにきたときに言葉です。
東京では、戸建に住んでいたのですが、いろいろ事情があって、マンションに住み替え、子どもたち、とくに下の娘にはマンションでの生活のほうが懐かしいようです。
子どもたちにとって、実家に帰るというのは、親に会いにくるということでしょうが、家そのものにも、何か愛着のようなものがあるようです。
わたしの育った家は、まだあります。これまたいろいろ事情があって、もう何年も訪れていません。
両親の墓参りはしますが、育った家には行きません。
ふと思い出すことはありますが。
八ヶ岳南麓に家を持ったのは20年以上前。
定住したのが2005年。
それからちょうど10年でいまのところに越しました。
20年前というと、家も少なく、街灯もなくて、月がないと真っ暗でした。
息子が友だちといっしょに遊びにきたのですが、夜は都会と違って、前を歩く友だちも見えないと、大騒ぎをしていました。
薪ストーブも当時は珍しく、薪自体を簡単に集まりました。
引っ越しというのは、たいへんですが、先々のことを考えるといまのうちにできることはしておいたほうがいいとつくづく思っています。
年齢でいえば、やはり高齢者になるとなかなかむずかしい。
いまは引っ越し業者がいろいろやってくれますから、昔に比べれば随分と楽になりましたが。
じつは、わたしが引っ越してよかったな、と思うのは人との距離ですね。
ものを書く仕事をしていると、人に会うことは意外と少なくなります。
FM八ヶ岳で番組を持っているのでおかげでほぼ毎週にスタジオに行きますが、人に会うことが減ってきていました。
仕事では人に会いますが、特別用もないのに人に会うことが大切だと気づきました。
集合住宅に住むようになると、毎日人に会います。
もちろん挨拶もします。
人に会うというのは、ものすごく刺激になります。
老化防止になります。
人に思いをはせるのは、脳をすごく刺激しています。
他者を思うことの大切さを改めて知りました。