生物多様性を感じる場所



アメンボ、ミズスマス、ミズカマキリゲンゴロウカブトエビ…。
みな田んぼにいます。わたしが知っているものなので、もっとたくさんの昆虫がいると思います。
オタマジャクシやカエルにも出会えます。田んぼに水を入れてからわずか20日でオタマジャクシになるでしょうか。その成長の早さに驚きます。カエルもまだ小さく、変態したばかりかな。


田植えをし、草が生え出すころに草取りをします。
田の草はコナギといわれるもので、緑色の葉が細い草です。水面下に生えてきます。
田車を押したり引いたりしながら、土をかき取り、草を根こそぎにして取り去ります。
田車が通過したあとに、コナギが白い根ごと浮かんでいます。


無農薬の田んぼで稲を育てている友人の手伝いをしています。
田植えの補助、草取り、稲刈りがわたしの主な仕事で、水など日常の管理はすべて友人がしています。
機械化が進み、農作業もどんどん進化して、田んぼの中に足を入れることなく、お米をつくることができます。
わたしたちの田んぼは無農薬なので、田車を使っての草取りが欠かせません。


それにしても、田んぼにはじつにたくさんの生き物が棲息しています。
なかでもカブトエビには、驚きます。
形状は海にいるカブトガニと同じ。
田植えから1週間から10日で草取りをしますが、田んぼに大小のカブトエビがたくさんいます。
カブトエビは、淡水にすむ原始的な甲殻類。生きている化石をいわれています。
水田の雑草を食べるだけでなく、産卵や捕食のために、水底の泥をかき交ぜるので、田の水が濁り、雑草の発芽が抑制されるそうです。
「田の草取り虫」といわれています。


わたしたちの田んぼでもカブトエビがたくさんいるところ、そうでもないところがあります。
5枚の田んぼで稲つくりをしていますが、すべての田んぼにいるわけではありません。
昔からといっても、稲つくりに参加したのは10年前ですが、そのころからずっと使っている田んぼにいますが、新しく手に入れた田んぼにはいません。


それにしても、田んぼは保水だけでなく、生物多様性を感じるところだなとつくづく思います。