自分の体は自分で管理

都内のホテルのフロントで、部屋に体重計を持ってきてくれないかと頼んでいるカップルに出会いました。
「ははあ、毎日体重を欠かさず測っているんだな」と思いました。


体重なんて、毎日測らなくてもいいんじゃないの、と思っている方々。
体重と血圧は毎日測るものです。
血圧と同じように、毎日測ることで自分の体の状態を簡単に知ることができます。
血圧がからだの状態によって、一日の中でも大きく変化することはご存じと思います。
じつは体重も変化しているのです。


1日4回体重を測るという方法があります。
以前健康雑誌の編集をしていたときに大分医科大学名誉教授で
日本肥満学会の常任理事の坂田利家先生に取材しました。
この方法は坂田先生が考案したものです。


1回目は朝起きてすぐ(トイレも行かずにまさに起きてすぐ)、2回目は朝食直後、3回目は夕食直後、4回目は就寝前。
100g単位で測れる体重計で測り、それをグラフに書き込んでいきます。
すると、1日で体重が変化しているのがわかります。


当たり前ですが、食べたら体重はふえます。体を動かせば体重は減ります。
食べる量だけでなく、ウォーキングをしたり、家事をしたりして体を動かすことがいかに重要か、
これを体重の変化が教えてくれます。


1日に4回体重を測っていると、就寝前と起床直後の体重の減少が著しいことがわかりました。
就寝前と起床直後では1キロから1・5キロ減少するのです。
ところが、夕食後にデザートは別腹とばかりにケーキを食べたり、清涼飲料水などを取り過ぎたりすると、
翌朝体重が減っていません。太っていることもあります。


こうした体重の変化をグラフに記入し、ダイエットをする方法をグラフ化体重ダイエット法といいます。
テレビでも話題になりましたが、もともとは肥満治療の目的でつくられたものです。
体重の変化をグラフにして常に見ることが大切なようです。


しかし、1日に4回測るのは、なかなかむずかしい。
そこで、就寝前と起床直後の体重を測りましょう。それをグラフにして、体重の変動を実感しましょう。


毎日体重を測っていると、ちょっと太っただけでもすぐにわかります。「知らないうちに太ちゃった」というようなことはいえません。
太った原因が必ずあります。食べすぎ、運動不足。
わたしの場合は、飲みすぎ。お酒を飲むとついつい食べ過ぎてしまいます。
ブレーキがきかなくなるんですね。


また、体重を毎日記録していると、1キロや2キロやせるは簡単にできます。
太る原因がわかりますから、それを注意していれば元に戻すこともやせることもできるのです。


ダイエットでいちばん問題になるのは、急激にやせることです。1ヶ月1キロ、3ヵ月で3キロやせるのは問題ありません。
毎日体重を測っていれば、少しだけ食事の量を減らしたり、ウォーキングを日常にしたりすれば、それは簡単です。


毎日体重を測っていると、体重の急激な変化にも気づきます。
それは、内臓の病気の可能性があります。糖尿病なども悪化すると、体重がどんどん減っていきます。
がんの可能性もあるのです。
特別何もしていないのに、体重が減ってきたら、要注意です。


血圧と体重を毎日測りましょう。体重計、血圧計をそろえる必要はありますが、
それほどお金をかけずに、確実に自分のからだを守ることができます。
ぜひやってみてください。(八ヶ岳ジャーナル7月1日号掲載を一部改編)

かつてこんな本も書きました。ご参考までに。
https://www.amazon.co.jp/%E6%B8%AC%E3%82%8B%E3%81%A0%E3%81%91%E3%81%A7%E5%A4%A7%E4%B8%88%E5%A4%AB%E2%80%95%E8%A1%80%E5%9C%A7-%E4%BD%93%E9%87%8D-%E6%AD%A9%E6%95%B0-%E3%83%A4%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF-292/dp/4861441951