「パ・タ・カ・ラ」体操のススメ

先日、ためしてガッテンで「口内フローラ」を紹介していました。
口内フローラとは、口の中の細菌群のことで、腸内フローラと同じように、口内にも細菌が群れをなして存在しているということです。
口の中の細菌の数が、いろいろな数え方があるようですが、口内細菌を30年以上研究している鶴見大学の花田信弘教授によると、菌種だけで700種類、数はおよそ1000億個だそうです。
腸のほうは、菌種だけで100から3000種、数は100兆個以上。腸を広げるとテニスコート一面になるそうですが、そこにお花畑のように細菌群は群れているわけです。そこでフローラと呼ばれています。


これらの細菌のすべてが害をなすわけではありません。
善玉もいれば、悪玉もいます。
そして、もうひとつ、日和見(ひよりみ)といわれる菌もあります。大勢に準じるというもので、わかりやすくいえば、ふだんはなにもしないのですが、悪玉菌がふえてくるとその仲間になったりするものです。腸内でいうと、善玉が15%、悪玉が10%、日和見が75%といわれています。このバランスが保たれていればいいのですが。
口の中もおそらく同じ菌の分布状態といえるでしょう。


悪玉菌をふやさず、善玉菌をふやすのがいいのですが、歯磨きはもちろんとして、まず、したいのは唾液をふやすこと。
禅宗のお坊さんに聞いたことがありますが、舌先を前歯の上に当てると唾液が自然と出てきます。
ふだん、唾液をあまり意識したことはないでしょう。
食事をすると自然に出てくるものと思っているはず。
食事の間だけでなく、唾液は口の中を潤し、細菌の繁殖を防いでくれます。
悪玉菌をふやさないためにも、唾液がよく出るようにしたいものです。
舌先を前歯の上に当てるだけでなく、「パ・タ・カ・ラ」というだけで唾液を出しやすくするだけでなく、年齢とともに衰えてくる飲み込む力を鍛えることができます。
「パ」というと、まず唇をしっかり閉じて大きく開けます。唇に関係する筋肉が鍛えられます。
「タ」というと、舌を前歯の上のほうに当て、舌をのどの奥のほうに引っこめます。食べものをのどへ送り込む力を鍛えます。
「カ」は、大きく口を開くだけでなく、のどの奥まで広げる感じ。口の中の筋肉が鍛えられます。
「ラ」は少し舌を前に出して大きくを口開けます。
「パ・タ・カ・ラ」といって口の体操をし、筋肉の衰えを防ぎましょう。
亡くなるまで、口から食べるためにも。