続けることのむずかしさ

 食事にしても運動にしても、続けて行わなければ意味がない。思い出したようにやる、時間があったからやる、では、なかなか効果が出てこない。
 先日、朝日新聞で、糖尿病に関する連載があり、華道家假屋崎省吾さんの食生活を紹介していたが、彼が食事をきちんとコントロールできるのもお父さんの闘病と死を間近に知っているからで、くじけそうになるとお父さんのことを思い出し、ああなってはダメと心を奮い立たせていたようだ。
 病気の体験談などを読むと、こうした食事や運動を続ける極意を知りたいと思うが、続けている人にとっては、そうしたことはすでに習慣になっているのか、続ける極意を見つけるのが意外とむずかしい。
 わたしの場合、腎臓の機能が曲線的に悪くなり、それこそある日突然、塩分は1日に5g以下、できれば3gにといわれる日がくる。そのときになって、塩分の摂取を抑えようとしても、味気ない食事にがまんができないだろう。そこで、そんなことをいわれる前から、塩分をできるだけとらないようにしていれば、味気ない食事にもなれ、いまから塩分を3gにしてくださいといわれても、はい、はい、すぐできますよ、といえるようになると思ってやっている。
 これが動機だが、習慣にしてしまえば、むずかしいことではない。
 習慣にするまでがなかなかできないのです。