一日に歩く歩数はどのくらいがいい?

ご多分にもれず、わたしも歩数計を持っている。
携帯を使えば、歩数もカウントしてくれるが、その機能がうまく使えないので、歩数計を使っている。
わたしの場合、歩数計はあくまでも記録をするためのもので、歩数はあまり気にしていない。
というのも、歩くときに大切なのは歩数を伸ばすことではないからだ。


歩数といえば、1日1万歩歩きましょうというスローガンを元に、
運動不足を解消するために、1万歩を目標に歩くことが推奨された。
1万歩はキリのいい数字で、目標にするには最適だ。
もう少しで1万歩になるとわかれば、つい無理もしてしまう。
ところで、1万歩歩くといいという根拠を調べてみると、
厚労省が提唱している健康日本21のなかで、
日常生活に置いて歩数をふやそうという項目に、1日1万歩歩こうというものがあった。


その根拠は、1986年に発表されたもので、運動をして週に2000kcal消費することが推奨されている。
これを1日に換算すると「300kcal」になる。
1日に300kcalを消費することがいいとされ、それを歩数に計算すると、1日1万歩に相当するようだ。
その計算式は、体重60kgの人が時速4km(分速70m)歩幅70cmで10分間歩くと、
距離にして700m歩くことになり、歩数は1000歩になる。
これで30kcal消費できる。300kcalにするには、その10倍だから1万歩となる。
時間にして100分、1時間40分である。


健康日本21では、運動習慣をつけましょうという項目もあり、
それによると、週2回以上1回30分以上の運動を1年以上続けている人は運動習慣があるとしている。
ちなみに、運動習慣がある人は男性で28.6%、女性で24.6%だそうだ。
健康日本21では、男性39%、女性35%にしようとしている。
このときの運動の強さは中程度、息が少しはずむぐらいがいいようだ。



最近、1万歩を歩いても無駄という本が出版され、けっこう話題になっている。
群馬県中之条町で65歳以上の全住民5000人をモニターに、
1日24時間365日の生活行動データを15年にわたって収集し、
それを分析した結果、1日24時間の歩数は「8000歩」、そのなかで「中強度の歩行を20分」行うのがいいことがわかった。
データ数、検査期間などから、この数字はきわめて信頼がおける。
つまり、1万歩を目標にしてはいけない。


中強度の歩行というは、「なんとか会話ができる程度の早さ」で、
鼻歌が出るくらいではゆっくり過ぎる。しかし、会話ができないくらいだと今度は早すぎる。
この加減がむずかしいが、わたしは足が少し張る感じがする、息があがる程度だと思う。
歩数計には、「しっかり歩数」を記録できるものもある。
これはまさしくしっかり歩いたときの歩数が出てくる。


しっかり歩く、息があがるくらいの歩行を加え、目標は8000歩。