からだにいいことを習慣にするには

脳科学者の茂木健一郎さんと公衆衛生学者の石川善樹さんの対談を読みました。


茂木さんは、脳の変化は植物に近い。手入れを毎日して少しずつ変わっていくという。
それが積み重なって大きな変化をつくりだす。
毎日の小さな積み重ね、これがつまり習慣である。
そして、習慣を支えているものは、「やる気」ではない。「やる気」は必要ではないという。
特別「やる気」がなくても、なにしろ続けること、だと。


わたし流に解釈すると、「やる気」がないから今日はやめておこう、というようにやる気に重点を置くと続かないのではないでしょうか。
これは、つまり習慣にならない。


また、目標などもつくらない。
比較的ですが、目標意識が高い人や人生に意味を求める人は、それが邪魔をして健康習慣がつきにくいと茂木さんはいう。


目標設定として、誰かに勝つというようなことを考えたとします。
競争ですが、それに勝つには、相手を負かすこと。
しかし、その相手がどのような状態にあるのかわかりません。仮に勝ったとしても、たまたまそのとき相手の調子が悪かったのかもしれない。
いくら自分ががんばっても、相手のほうがはるかに上をいっていたら、勝つことはできません。
相手をコントロールすることはできないから、本当に勝つことはできない。
しかし、自分でできること、自分だけの目標なら、自分でコントロールすればいいのですから、できるでしょう。
また、努力のし甲斐もあります。


茂木さんは、ウォーキングを勧める。何も考えずに歩くと脳を整理してくれる。
さらに自分と対話し、自らを振り返ると、ストレスも軽減できるといいます。
茂木さんは健康にいちばんの生活習慣は「自分との対話」と上げる。
自分との対話が十分にできる人は、比較的健康を維持しやすい、と。


わたし流にいえば、自分との対話のはじまりは、自分の日常を知ることからはじまります。
朝から寝るまでの間、何をしているでしょうか。
日常を見えるようにするのが、体重や血圧を記録することです。
これでからだの変化を目の当たりにすることができます。
食べすぎれば太ります。
少し無理をして、からだが疲れていると血圧も上がります。興奮しているときも血圧があがります。
リラックスしていれば、血圧は下がります。
サッカーやラグビーをテレビで観戦して、直後に血圧を測るとふだんより上がっています。
何も考えず、心地よい好きな音楽を聴いていると血圧は下がっています。
ストレスが、血圧に現れているのです。
それを実感できます。


こうして「「自分との対話」が確かに健康法になるのではないでしょうか。