検診を生かすを殺すもあなた次第

『測るだけで大丈夫』という本で、自分のからだを知ることが大事と述べた。
血圧、体重などを毎日測ることで、自分のからだの状態を常に知れば、病気を予防できると。
血圧にしても、体重にしても、毎日決まった時間に測らなければ、その実態はわからない。
ちょっと血圧が高いかもしれない、少し太ったかもしれないという感覚だけでは、病気は防げない。
少し大げさにいえば、「病気を見えるようにすること」が重要だ。


思うに、見えない病気は実に多い。
見えないとは、自覚症状がないということだが。
糖尿病、高血圧、腎臓病、肝臓病など、多くの病気に自覚症がほとんどない。


病気の予兆を自覚症状に頼ってはいけない。
だから、検診が勧められるのだが、検診の結果に一喜一憂するのはまったく無駄といえる。
検診を受けたときの状態は、検診の結果に反映されるが、それは必ずしも、ふだんの状態がわかるわけではない。
経過を反映する糖尿病のヘモグロビン検査もあるが、ほとんどがそのときの状態を現わしている。
検診を受けたときは、経過を知ることが何より重要だ。
以前受けたときの数値とくらべてみる。少しずつでも変化しているようなら、注意が必要である。
基準値より高い場合、低い場合があるので、それぞれをしっかりチェックしておこう。


もちろん、検査内容によっては、数値の変化より何よりいまの状態で診断できるものもある。
この場合は、医師は速やかに判断し、次の手を打つはず。


検査数値に、幅があることはご存じだろう。
基準値の範囲を著しく越していたり、下がったりしていれば、すぐに診断がくだされる。


問題は、基準値を少し出ているときだ。
こういうときに、十分に気を配ることが病気を進行させない決め手になる。