朝の体操

前のブログで朝起きたら、カーテンを開けて朝日を浴びましょうと述べました。今回も引き続いて、取り入れたい朝の習慣を紹介します。

カーテンを開けて体内時計をリセットしたら、すぐに起きだしてもいいのですが、三浦敬三さんのしていた体操を紹介しましょう。三浦敬三さんは、冒険家の三浦雄一郎さんのお父さんで、100歳を超えてもスキーを楽しんでいたというスーパー長寿者。


三浦敬三さんが、毎朝必ず行っていたのが、首の体操、舌出し体操、鼻呼吸です。
首の体操は、首を前後に傾ける、ゆっくりと回すというものですが、首を軽く動かすことで、肩から頭の血流がよくなり、頭がすっきりしてきます。首を傾けるのは、三半規管を刺激することになりますから、バランス感覚のウォーミングアップになります。朝運動をするときに役立ちます。
首の運動をしておくと、すっと振り返ることができるようになります。三浦敬三さんと対談をした聖路加国際病院日野原重明先生は、この体操を朝の日課に取り入れているようです。後ろから呼ばれたりしたときに、若いときは首をまわして反応できたのに、歳をとってくると、からだ全体で振り向くようになるのだそうです。そうすると、見た目が年寄りくさくなります。そこで、首の体操をとりいれたそうです。見た目の若々しい人は、実年齢より若いことがわかっていますから、こうした体操は有効です。


次に紹介するのが、舌出し体操です。この体操は、口を大きく開いて舌を出す体操です。三浦さんは、顔にしわができないように、このトレーニングをしていましたが、じつは、この体操はものを飲み込む嚥下力をつけることにつながります。
ものを飲み込む力が弱くなってくると、食べものなどが食道にいかずに気道に入り、肺炎の原因になります。誤嚥性肺炎といいますが、これは高齢者にとって大きな問題です。
舌を出して大きく動かすと、舌の筋肉だけでなく、のどの筋肉までが総動員されます。その結果、嚥下力がつくのです。
ものを飲み込む力をつけるには、この舌出し体操はたいへん効果があります。実際に、嚥下力の衰えた高齢者にこの体操が指導されているのです。
1 まず、口を大きく開けて舌を思い切り前に出します。
2 そのまま舌を右に向けます。
3 舌を正面に戻し、次に左に向けます。右、左を50回ぐらい
実際にやってみると、舌も多少疲れますが、のどの筋肉が動いていることを実感できるでしょう。
敬三さんはこの体操を顔のシワができないように、と思ってはじめたようですが、お孫さんの三浦豪太さんは、敬三さんの顔にはしわもシミも少なかったと報告しています。シワとり効果もあるようです。


鼻呼吸は、片方の鼻の穴をふさぎ、もう片方で呼吸する方法です。三浦敬三さんは、呼吸をしながら、香りをかいでいました。
鼻の穴の片方ずつ呼吸をしていると、脳の血流がふえることがわかっています。
1 どちらかの鼻をふさいで、おなかをふくらませるようにして大きく息を吸い込みます。
2 息を吸いこんだら、両方の鼻の穴をふさぎ、耳の空気を抜く要領で軽く鼻に空気圧をかけます。
3 そして、鼻から手をはなし、口からゆっくりと息を吐き出します。
簡単なものですので、ぜひやってみてください。